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基幹統計 キカントウケイ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

基幹統計
きかんとうけい

国や地方公共団体などの公的機関が作成する統計について、国の統計体系全体のなかでその有用性の確保および効率的な整備という目的において重要な位置を占めるものとして、統計法(平成19年法律第53号)で指定される統計のこと。日本の統計法(旧法)は戦後の1947年(昭和22)に統計の真実性確保および統計体系の整備と制度の改善および発達を目的として制定され(昭和22年法律第18号)、そのなかで公的機関によって調査・作成される中心的統計が総務大臣による指定と公示に基づいて「指定統計」として規定されていた。旧法施行以来の60年間における内外の経済社会の変化、統計に対するニーズの変化などを踏まえて2007年(平成19)に統計法が全面改定され、そのなかで、旧法の指定統計の制度も、新法の目的に合わせて拡張されて、新たに基幹統計として規定されることになった。旧法下での指定統計に比して新法のもとでの基幹統計の最大の特徴は、指定統計が官公庁による統計調査に基づいて作成された調査統計のみを対象としていたのに対して、基幹統計においては調査統計に加えて行政機関の業務から収集される業務統計のほか、とくに政府によって各種の統計資料に基づいて作成される国民経済計算などの加工統計までも対象として含まれるようになったことである。これは、新法の第1条に明記されているように、国の作成する統計が「国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤」を提供し、「国民経済の健全な発展及び国民生活の向上に寄与すること」という目的意識に基づくものであり、新しい国際化時代のなかで国民の要請に広くこたえる必要が生じているとの認識によるものといえる。新法規定の基幹統計の具体的内容はその第2条4項に明記されている。まず1号として、人・世帯に関する全数調査である「国勢調査」があげられている。これは旧法のもとでも第4条において指定統計として規定されていたものである。基幹統計として2号にあげられているのが加工統計の代表としての「国民経済計算」であり、これが新法の特徴を象徴するものといえる。新法のなかで具体的に規定されている基幹統計は以上の二つであるが、3号として、今後に総務大臣が基幹統計として指定できる統計の要件が規定されている。その要件としては、国の政策立案に関する重要性、民間活動での広範な利用、国際社会関連での必要性と重要性があげられている。2014年11月時点で、新法において直接に規定された国民経済計算と国勢調査のほか、労働力調査や工業統計調査など、旧法下での指定統計の多くを含む全部で55の統計が基幹統計として指定されている。[高島 忠]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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