給湯設備(読み)きゅうとうせつび(その他表記)hot-water apparatus

改訂新版 世界大百科事典 「給湯設備」の意味・わかりやすい解説

給湯設備 (きゅうとうせつび)
hot-water apparatus

湯を供給するための設備総称で,加熱装置,配管給湯栓,ポンプなどからなる。湯の供給方式は,湯を使用する個所ごとに加熱装置を設け,個別に湯を出す局所式(または個別式)給湯方式と,1ヵ所の加熱装置から配管により所要個所に給湯する中央式(セントラル式)給湯方式に大別される。中央式の給湯配管方式は,加熱装置と給湯栓の間の管が給湯管のみの単管式と,給湯管のほか,さらに配管内での湯温の降下を防止するために,常時,湯を循環させる返湯管を設ける複管式に分けられる。後者は配管の長い大規模な設備に多く,住宅などの小規模なものでは単管式が多い。

 加熱装置には,住宅用のものに限っても多くの種類がある。住宅用の加熱装置,いわゆる給湯器を,構造により分類すると,瞬間式,貯湯式および瞬間貯湯式などに大別できる。瞬間式給湯器は,水道直結とし,必要な量だけの湯をそのつど沸かすもので,ガス式のものが大半を占める。ガスバーナー点滅は,ガス弁前後にかかる水圧力の差または水流を感知して自動的に行われる。湯温調節は,流れる水の量を調節することにより行うものが多かったが,最近では燃焼ガス量を自動的に変化させ,任意の安定した湯温が得られる形式のものが増してきている。瞬間式給湯器は元止式と先止式に大別されるが,前者は,バーナー前の給水栓開閉によりバーナーの点滅を行うもので小型のものに多く,後者はバーナー後ろの給湯栓の開閉によりバーナーの点滅を行うもので,離れた場所への給湯が可能であり,比較的大型のものに多い。給湯器の能力の大小は号数で表示されることが多いが,n号とは,毎分n lの水を25℃上昇させる能力(約1500nkcal/hに相当)をいう。貯湯式給湯器は,一般に1kgf/cm2未満の低水圧で使用するもので,高温定温の湯を一定量ためる構造となっており,大量の湯を短時間のうちに使いたい場合や低水圧での使用に便利であるが,構造上,形状が大きく重いものとなる。

 給湯設備計画では,必要な給湯量・湯温の安定性および経済性,設置スペースなどを考慮し,数多くある給湯器から最適なものを選定することが重要である。また給湯配管は給水配管以上に腐食しやすいので,管材を選ぶこと,室内に燃焼排ガスを出す,いわゆる開放型といわれる給湯器では,換気設備に十分注意することなども重要である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「給湯設備」の意味・わかりやすい解説

給湯設備
きゅうとうせつび

工場や会社,家庭内の台所浴室,洗面所など必要な場所に温水を供給する設備。1ヵ所に温水ボイラを設け,必要個所に配管して給湯する方法と,瞬間湯沸器を設ける方法とがある。家庭用にはガスを燃料とした瞬間湯沸器が多く用いられているが,最近は温水暖房用の温水ボイラに給湯用の機構を組込んで,配管による給湯が次第に普及している。温水ボイラの熱源にはガス (都市ガスまたはプロパンガス) ,灯油,電気などが用いられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「給湯設備」の意味・わかりやすい解説

給湯設備
きゅうとうせつび

給排水設備

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