縮む(読み)チヂム

デジタル大辞泉 「縮む」の意味・読み・例文・類語

ちぢ・む【縮む】

[動マ五(四)]
間が詰まったり中身が減ったりして、長さや面積容積などが短くなったり小さくなったりする。「湯通しをして布が―・まないようにする」「風船が―・む」
期間・時間が短くなる。「寿命が―・む」「タイムが―・む」
恐れや緊張などで、からだや気持ちが小さくなる。ちぢこまる。「恐怖のあまりきもが―・む」「身の―・む思い」
ちぢれる。「―・んだ髪の毛」
[動マ下二]ちぢめる」の文語形
[類語]すぼむすぼまるつぼむつぼまるしぼむ縮れる縮めるつづまる縮こまる縮み上がるすくむすくめる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「縮む」の意味・読み・例文・類語

ちぢ・む【縮】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 マ行五(四) 〙
    1. 短くなったり小さくなったりする。しわがよって小さくなる。収縮する。ちぢまる。ちぢこまる。しじむ。
      1. [初出の実例]「つづまり、ちぢめるものののぶる」(出典:名語記(1275)五)
      2. 「塩灸を待兼しに、自然と居落して、背骨つたひて身の皮ちぢみ苦しき事暫くなれども」(出典:浮世草子・好色五人女(1686)三)
    2. 毛がうねったり巻いたりした状態になる。ちぢれる。
      1. [初出の実例]「形見にくく髪ちちみ、色黒くして、人に見ゆべき非体」(出典:康頼宝物集(1179頃)下)
      2. 「口ちいさく、髪も少しはちぢみしに」(出典:浮世草子・好色五人女(1686)一)
    3. 恐れなどで体が畏縮する。体や気持が小さくなる。ちぢこまる。ちぢまる。
      1. [初出の実例]「歌には詞のちぢみとどこほりたるが悪きにて侍る也」(出典:愚秘抄(1314頃)鵜本)
      2. 「風呂の中へ駈込、隅の方に縮(チヂン)で居ると」(出典:滑稽本・七偏人(1857‐63)初)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙ちぢめる(縮)

縮むの語誌

チヂム・チヂマルの語形が広く見られるようになるのは中世で、それ以前はシジム・シジマルだった。「縮」を「法華経単字」や「観智院本名義抄」がシジマルともツヅマルとも読んでいるように、シジム・シジマルの類義語としてツヅム・ツヅマルがあった。これがシジからチヂへの変化に関与しているものと思われる。

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