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習慣性扁桃炎(習慣性アンギーナ) しゅうかんせいへんとうえんしゅうかんせいあんぎーなHabitual Tonsillitis

家庭医学館の解説

しゅうかんせいへんとうえんしゅうかんせいあんぎーな【習慣性扁桃炎(習慣性アンギーナ) Habitual Tonsillitis】

[どんな病気か]
 急性扁桃炎(「急性扁桃炎(アンギーナ/口峡炎)」)をたびたびくり返す状態を習慣性扁桃炎といいます。
 もともと、子どもが急性扁桃炎をおこすことは珍しいことではなく、年に1回や2回の急性扁桃炎をおこす程度では異常とはいえません。
 小学校の低学年をすぎるころには、だんだん炎症をおこす回数が減ってくるのがふつうです。ですから急性扁桃炎がおこったら、そのつどしっかり治療すればまず問題はないともいえます。
 しかし、年4~5回以上も急性扁桃炎をくり返す、1回1回の急性扁桃炎の症状が重く、保育園・幼稚園・学校を休まなければならない、入院が必要になるほどの炎症がおこるなどの場合は、対策を講じることが必要です。
[原因]
 急性扁桃炎をくり返す原因ははっきりしていませんが、副鼻腔炎(ふくびくうえん)やアレルギー性鼻炎、アデノイド増殖症(ぞうしょくしょう)などのために鼻の空気の通りが悪くなり、口呼吸の状態が続くと、鼻が侵入してくる細菌やウイルスを防ぐフィルターの役割をはたせなくなり、直接、口から細菌やウイルスが入り口蓋扁桃(こうがいへんとう)に付着しやすくなることが、発症に関連している可能性があります。
 副鼻腔炎による後鼻漏(こうびろう)(鼻汁(びじゅう)がのどのほうにおりる)が続くと、鼻汁に含まれる細菌が口蓋扁桃に付着し、炎症をおこすことも考えられます。
 しかし、これらの病気をもつ子どものすべてが習慣性扁桃炎になるわけではないので、それ以外の要因、たとえば体質的な影響もあると考えられます。原因となった細菌の種類によって慢性化しやすくなる可能性もあります。
[症状]
 急性扁桃炎の症状を、年に何回もくり返しますが、そのうちに、からだの他の部位に炎症が波及する病巣扁桃(びょうそうへんとう)(「病巣扁桃」)に移行する可能性もあります。
[検査と診断]
 経過を聞けば診断できることが多いものです。
 急性炎症症状が落ち着いているときでも、肉眼的に口蓋扁桃やその周囲の発赤(ほっせき)、口蓋扁桃の肥大、頸部(けいぶ)のリンパ節の腫(は)れなどを認める、なども習慣性扁桃炎を疑わせる所見の1つと考えられます。しかし、かぜにともなう急性咽頭炎(いんとうえん)でも、急性扁桃炎と同じような症状が出ることがあるので、のどを観察し、扁桃炎による症状であるかをきちんと確認する必要があります。
 また、口蓋扁桃の細菌検査で、原因となる菌が付着していないかを確認したり、血液検査で、扁桃炎の原因菌の1つであるA群β(ベータ)溶血性レンサ球菌の感染の指標となるASO値などを調べることも参考になります。
[治療]
 厳密な基準はありませんが、一般に年に4~5回以上急性扁桃炎をくり返す、1回1回の急性扁桃炎の症状が重く入院が必要になる、扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)(「扁桃周囲炎/扁桃周囲膿瘍」)のような重篤(じゅうとく)な合併症をおこすなどの場合は、手術(口蓋扁桃摘出術(こうがいへんとうてきしゅつじゅつ))を考えます。
 口蓋扁桃からβ溶血性レンサ球菌が持続的に検出される場合は、今は問題なくとも、将来、腎臓(じんぞう)や心臓など他の部位に炎症が生じる危険があるため、手術が行なわれることが多いようです。ただ、現在は有効な抗生物質があり、これの内服などの保存的治療をきちんと行なえば、症状は比較的容易にコントロールでき、腎臓や心臓の合併症をおこす可能性は低いと考えられます。
 また、子どもは成長とともに扁桃炎をおこす頻度が減少してくるのがふつうなので、習慣性扁桃炎が子どもの日常生活に与える影響と扁桃の手術にともなう危険性、子どもの年齢などを考慮して、手術する、しないを最終的に決定することになります。
[日常生活の注意]
 かぜをきっかけにおこる扁桃炎が多いので、かぜの予防が扁桃炎の予防につながります。副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎の存在も関係すると考えられるので、これらの病気の治療をしっかり行なうことも必要です。
 また、扁桃の手術は安全なものです。手術を恐れて、必要以上に保存的治療に固執しないことも必要です。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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