翔る(読み)カケル

デジタル大辞泉 「翔る」の意味・読み・例文・類語

かけ・る【×翔る/駆ける】

[動ラ五(四)]
鳥や飛行機などが、空高く飛ぶ。飛翔ひしょうする。「大空を―・るわし
(駆ける)速く走る。
血眼になって行手を見つめて―・って居るさまは」〈寅彦・伊太利人〉
和歌で、心の動きが鋭く表れる。
「鈍く眠り目なる歌人には、―・りたるかたを学べと」〈ささめごと
[類語]飛ぶ飛行飛来飛翔滑空天翔あまがけ高翔こうしょうする滑翔かっしょうする舞う舞い立つ舞い上がる舞い降りる

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精選版 日本国語大辞典 「翔る」の意味・読み・例文・類語

かけ・る【翔・駆】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙
  2. 鳥などが、空高く飛ぶ。
    1. [初出の実例]「雲雀(ひばり)は 天(あめ)に迦気流(カケル) 高行くや 速総別(はやぶさわけ) 鷦鷯(さざき)捕らさね」(出典古事記(712)下・歌謡)
    2. 「二上の 山飛びこえて 雲がくり 可気理(カケリ)いにきと」(出典:万葉集(8C後)一七・四〇一一)
  3. ( 駆 ) 速く走る。急いで通る。
    1. [初出の実例]「秋の夜の月毛の駒よわが恋ふる雲井をかけれ時の間も見ん」(出典:源氏物語(1001‐14頃)明石)
    2. 「血眼になって行手を見つめて駆けって居るさまは」(出典:伊太利人(1908)〈寺田寅彦〉)
  4. 和歌で、一句の表現に心の働きがはっきり現われる。動的表現が鋭く出る。
    1. [初出の実例]「又、冷泉の中納言為秀卿教へ給へると也。にぶく眠りめなる歌人には、かけりたるかたを学べと」(出典:ささめごと(1463‐64頃)下)

翔るの語誌

→「かける(駆・駈)」の語誌

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