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老人性乾皮症 ロウジンセイカンピショウ

デジタル大辞泉の解説

ろうじんせい‐かんぴしょう〔ラウジンセイカンピシヤウ〕【老人性乾皮症】

加齢にともなって皮脂や汗の分泌が減少し、角層の水分保持機能が低下することにより、皮膚が乾燥した状態。皮膚に浅い亀裂や白いふけのような鱗屑が生じ、かゆみを伴う。

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家庭医学館の解説

ろうじんせいかんぴしょう【老人性乾皮症 Senile Xerosis, Asteatosis】

[どんな病気か]
 皮膚が乾燥した状態で、高齢者に多いことから老人性乾皮症と呼ばれます。毎年11月ころより3月までによくみられます。
 皮膚が白い粉をふいたようになり、進行すると魚の鱗(うろこ)のような鱗屑(りんせつ)ができたり(魚鱗癬(ぎょりんせん))、ジグソーパズルのような亀裂(きれつ)(エクゼマ・クラックル)ができたりします。また、かゆみにとても敏感となり、掻破(そうは)(かきつぶし)をくり返すようになります。これは皮脂欠乏性皮膚炎(ひしけつぼうせいひふえん)の症状です。とくに腰、大腿(だいたい)前面、下腿(かたい)外側など、服がこすれるなどの刺激を受けやすいところは掻破による湿疹(しっしん)性の病変をおこしやすく、そこに細菌感染などが加わると、びらんやかさぶたが目立つようになります。
 一般的には高齢者に多いとされていますが、アトピー素因をもつ子どもや、最近では、石けんの使いすぎなどで、20歳代の若者にもみられます。
[原因]
 乾燥性皮膚炎は冬季に悪化することが多く、下肢(かし)を中心に皮膚が乾いて肌が荒れ、粃糠様(ひこうよう)(ぬか状)のふけが目立つようになります。これらの変化は、もともと角層(かくそう)に存在し、外界からの刺激に対して防御的にはたらくセラミドという脂質(ししつ)などでできた物質が、石けんやシャンプーなどの刺激によって減少し、皮膚のバリア機能が低下するためとされています。
 乾燥した冬では、入浴後に皮膚の水気を十分にふきとらないでいると、水分の蒸発過程で気化熱が奪われてからだが冷え、角層の水分が減少して、さらに皮膚の乾きや荒れが進みます。
 高齢者の場合、入浴時に石けんで洗いすぎたり、長時間湯につかることで水溶性のバリア成分が皮膚から失われます。また、かゆみのためにタオルなどで強く皮膚をこすることも悪化の原因となります。さらに、老化にともなう、発汗(はっかん)、皮脂の分泌(ぶんぴつ)低下や、角層の水分保持能の低下も原因となります。
[検査と診断]
 冬に多い乾燥性の肌ですから、容易に診断されます。ただし、冬季以外や、全身に魚鱗癬状の変化がある場合は、ホジキン病や白血病(はっけつびょう)などの悪性腫瘍(あくせいしゅよう)や甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)などの内分泌疾患、シェーグレン症候群などによることもあります。
[治療]
 乾皮症の治療は、皮膚のバリア機能の改善が主体となります。外用剤として、尿素軟膏(にょうそなんこう)などの保湿剤(ほしつざい)、白色ワセリンなどを1日2~3回、薄く塗ります。湿疹がある場合は、ステロイド軟膏を短期間、入浴後に使います。予防が第一で、入浴時はあまり長湯をしないこと、石けんで肌をこすりすぎないこと、刺激の少ない衣服を着用すること、爪(つめ)を短くすることを励行してください。掻破は厳禁です。まず正常な皮膚にもどしましょう。

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