肉食妻帯(読み)ニクジキサイタイ

デジタル大辞泉 「肉食妻帯」の意味・読み・例文・類語

にくじき‐さいたい【肉食妻帯】

僧が肉食をし、妻をもつこと。戒律では禁じられているが、真宗修験道では早くから認めている。

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精選版 日本国語大辞典 「肉食妻帯」の意味・読み・例文・類語

にくじき‐さいたい【肉食妻帯】

  1. 〘 名詞 〙 出家比丘が肉食(にくじき)をし、妻をもつこと。仏教では、肉食は小乗戒で特別の条件にかなう場合に許すだけで、そのほかは小乗・大乗ともにこれを禁じ、日本でも真宗以外はこれを禁じた。
    1. [初出の実例]「夫肉食妻帯は諸仏の通戒、釈氏の定制也」(出典:親鸞聖人正統伝(1715)三)

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四字熟語を知る辞典 「肉食妻帯」の解説

肉食妻帯

出家のが肉食をし、妻をもつこと。仏教では、肉食は小乗戒で特別の条件にかなう場合に許すだけで、そのほかは小乗・大乗ともにこれを禁じ、日本でも真宗以外はこれを禁じた。

[活用] ―する。

[使用例] もちろん、肉食妻帯が僧侶に禁じられていた時分の事であるから[芥川龍之介孤独地獄|1916]

[使用例] 明治政府が法律で、肉食妻帯をゆるしたから、寺に女がいて違法ということはない[武田泰淳快楽|1960]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「肉食妻帯」の意味・わかりやすい解説

肉食妻帯
にくじきさいたい

出家修行者が肉を食し,妻をめとること。中国仏教および初期日本仏教では,このことをきびしく禁じた。親鸞は,大乗仏教の修行者のあり方として,妻をめとることをみずから公にし,阿弥陀仏救済をひたすら信じた。明治5 (1872) 年,僧侶の肉食妻帯が許可された。

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世界大百科事典(旧版)内の肉食妻帯の言及

【肉】より

…物事を皮相にしか見ることができない肉眼とその他の四眼との比較の中にも肉の劣位が示されている。 元来,仏教では五戒の第1に殺生(せつしよう)戒をあげるが,日本でも肉食(にくじき)妻帯を俗世の姿とみなし,江戸末期までは真宗を除き出家に対して肉食妻帯を禁じていた。明治以後は他の宗派も妻帯を認めたが,肉食については現在もなお,精進料理が残っている。…

※「肉食妻帯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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