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肺吸虫症 はいきゅうちゅうしょうpulmonary paragominiasis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

肺吸虫症
はいきゅうちゅうしょう
pulmonary paragominiasis

肺ジストマ症。肺吸虫の成虫が肺組織に寄生して起す寄生虫症。肺吸虫は淡水産のサワガニモクズガニ,ザリガニなどを第2中間宿主とするので,これらを生食した人畜に径口感染して肺に寄生する。血痰や慢性の咳を伴い,肺結核などとまちがえることがある。駆虫にはビチオノール,アンチモン剤などが用いられる。

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家庭医学館の解説

はいきゅうちゅうしょう【肺吸虫症】

 肺吸虫による感染症で、日本ではウェステルマン肺吸虫宮崎肺吸虫の2種類が原因となっています。
 中間宿主であるモクズガニ、サワガニなどの川ガニにいる(被嚢(ひのう))幼虫を摂取して感染することが多いのですが、ブタやイノシシの筋肉内にいる幼虫を知らずに食べて感染することもあります。
●症状
 喀血(かっけつ)や血(けっ)たん、ときには膿胸(のうきょう)や自然気胸(しぜんききょう)がみられ、胸部X線検査で、しばしば肺結核や肺がんと似た影像がみられます。
 肺吸虫が脳に迷入すると、経過がよくありません。
 宮崎肺吸虫は胸腔(きょうくう)にいることが多く、自然気胸と胸水貯留(きょうすいちょりゅう)が主症状となります。
●治療
 プラジカンテルを2~3日、内服します。
●予防
 川ガニを生(なま)で食べないことです。また川ガニを調理した包丁やまな板には被嚢幼虫(ひのうようちゅう)が付着していることがありますので、熱湯をかけてきれいにしてから使用しましょう。

出典 小学館家庭医学館について 情報

世界大百科事典内の肺吸虫症の言及

【チュウゴクモクズガニ】より

…中国からヨーロッパへの移住は黄河か長江(揚子江)から船のバラストタンクに入った幼ガニが運ばれたものと考えられるが,アメリカから日本へ入ったアメリカザリガニとともに,甲殻類の移住の好例としてあげられることが多い。韓国ではしょうゆ漬,中国では老酒(ラオチユウ)に漬けて食べるが,モクズガニと同様に肺吸虫症を引き起こすウェステルマン肺吸虫の第2中間宿主であるので注意を要する。【武田 正倫】。…

※「肺吸虫症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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