胃アトニー(読み)イアトニー

デジタル大辞泉 「胃アトニー」の意味・読み・例文・類語

い‐アトニー〔ヰ‐〕【胃アトニー】

胃の弾力性が低下し、蠕動ぜんどう運動が不活発になった状態。胃もたれ・食欲不振などが主症状であるが、自覚症状のないことも多い。

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精選版 日本国語大辞典 「胃アトニー」の意味・読み・例文・類語

い‐アトニーヰ‥【胃アトニー】

  1. 〘 名詞 〙 ( アトニーは[英語] atony ) 胃の無緊張症。胃壁筋肉の緊張力が衰弱し、蠕動(ぜんどう)運動も減退する。食後、胃部膨満感や、重圧感があり、悪心便秘になることもある。胃筋衰弱症。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「胃アトニー」の意味・わかりやすい解説

胃アトニー
いあとにー

胃壁の筋緊張が衰弱した状態をいい、胃下垂症を呈することが多い。胃が低緊張ないしは無緊張状態になっているため、胃容積は大きく、胃から十二指腸への食物の排出時間が遅延している。したがって食後に、心窩(しんか)部(上腹部みぞおち)の鈍痛、重圧感、膨満感、げっぷ胸やけなどの症状を示すこともある。また、基礎疾患として、急性消化不良、感染症、栄養不良、悪液質などを伴うこともある。しかし、自覚症状をもたない健康人にもみられることがあるので、現在は一つの独立した疾患としては取り扱われない傾向にある。病因として、神経症的な性格、心理的因子の関与が大きいため、向精神薬が有効なこともある。原因疾患のあるものはその治療が先決であり、対症的には食事療法(消化のよい栄養豊富な食品を少量ずつ回数を増やして与える)に加え、薬物療法を行う。

竹内 正・白鳥敬子]

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百科事典マイペディア 「胃アトニー」の意味・わかりやすい解説

胃アトニー【いアトニー】

胃壁の筋肉の緊張の減退した状態。蠕動(ぜんどう)運動も減退していることが多い。体質,胃の過度の使用,他の胃腸疾患等により生ずる。胃下垂にしばしば伴う。空腹時の胃の大きさは正常だが,食物摂取後著しく大きくなる。治療は消化のよい高カロリー食を,消化のしやすい形態に調理し,1日5〜6回に分けてとるようにし,水分をひかえる。
→関連項目胃拡張無酸症

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