胃酸過多症(読み)イサンカタショウ(英語表記)Gastric Hyperacidity

デジタル大辞泉 「胃酸過多症」の意味・読み・例文・類語

いさん‐かたしょう〔ヰサンクワタシヤウ〕【胃酸過多症】

胃液の酸度が異常に高い症状。胸焼け・胃痛などがみられる。胃潰瘍いかいよう・胃炎・胆石症などに伴うことが多い。過酸症

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精選版 日本国語大辞典 「胃酸過多症」の意味・読み・例文・類語

いさん‐かたしょうヰサンクヮタシャウ【胃酸過多症】

  1. 〘 名詞 〙 胃液中の塩酸が、異常に高いことによって起こる胃部圧迫感、灼熱感、胸やけおくびなどの症状。食後一、二時間で過酸症状が起こる。不規則な生活、心身過労、神経性疾患、消化器疾患などが原因

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家庭医学館 「胃酸過多症」の解説

いさんかたしょう【胃酸過多症 Gastric Hyperacidity】

[どんな病気か]
 胃酸(いさん)は、胃の粘膜(ねんまく)に存在する壁細胞(へきさいぼう)から胃内腔(いないくう)へ分泌(ぶんぴつ)される塩酸です。
 塩酸が過剰に分泌され、胃内酸度が異常に高い状態が胃酸過多(いさんかた)です。胃酸過多によって、胸やけや呑酸(どんさん)(胃液が胃から口へこみあげること)などの酸症状(さんしょうじょう)を現わすことを、胃酸過多症(過酸症(かさんしょう))といいます。
[原因]
 壁細胞の増加、高ガストリン血症、胃液分泌抑制ホルモンの減少などが、胃酸過多をひきおこします。胃酸過多をおこす疾患には、胃潰瘍(いかいよう)の一部、十二指腸潰瘍(じゅうにしちょうかいよう)、ゾリンジャー・エリソン症候群(ランゲルハンス島にできたガストリン産生腫瘍(さんせいしゅよう)によって、難治性(なんちせい)で再発性の消化性潰瘍をおこすもの)、胃幽門前庭部空置症候群(いゆうもんぜんていぶくうちしょうこうぐん)(幽門前庭部を残して胃切除した後、残胃の胃酸分泌が亢進(こうしん)し、さまざまな症状や病気をおこす)、小腸広範切除後、副甲状腺機能亢進症(ふくこうじょうせんきのうこうしんしょう)などがあります。
[検査と診断]
 胃液の酸度、胃酸分泌機能を検査し、酸性が強かったり分泌能の高まりがみられれば、胃酸過多症と診断されます。
 胃酸分泌刺激ホルモンであるガストリン、またはヒスタミンを注射し、チューブから胃液を採取する胃液検査法(いえきけんさほう)がありますが、最近ではほとんど行なわれていません。内視鏡下に胃液を採取して、その胃液の酸度(pH)を測定することが、ときに行なわれます。
[治療]
 プロトンポンプ阻害薬やH2受容体拮抗薬(じゅようたいきっこうやく)などの胃酸分泌抑制薬が使用されます。胸やけや呑酸がみられれば、酸症状の対策にそった治療が行なわれます(コラム酸症状のいろいろと対策」)。日常生活の注意は、香辛料(こうしんりょう)、コーヒーアルコールなどは、胃酸の分泌を促しますので、避けるようにします。

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食の医学館 「胃酸過多症」の解説

いさんかたしょう【胃酸過多症】

《どんな病気か?》


 胃酸とは、胃の粘膜(ねんまく)にある細胞から分泌(ぶんぴつ)される塩酸ですが、この胃酸が過剰に分泌され、胃の中の酸度が異常に高い状態を胃酸過多(いさんかた)といいます。胃酸過多によって、胸やけや、胃液が口へこみあげてくるなどの症状が現れるのが胃酸過多症です。進行すると胃潰瘍(いかいよう)になる場合もあります。

《関連する食品》


〈香辛料やコーヒー、アルコールをひかえる〉
○栄養成分としての働きから
 胃酸過多の人は、塩分をひかえることが大事です。食塩の化学記号NaClのClは塩素です。塩素は胃液の原料なので、塩をたくさんとると胃酸の分泌が活発になります。香辛料やコーヒー、アルコールも胃酸の分泌をうながすので、避けましょう。
 カルシウム、マグネシウムなどのミネラルや脂肪酸のアラキドン酸には、胃酸の過剰分泌を抑える働きがあります。カルシウムは牛乳、ワカサギ、コマツナ、ヒジキなどに、マグネシウムはアーモンド、ヒジキ、納豆、カキなどに、アラキドン酸はレバー、たまご、サザエなどに含まれています。
 また、ビタミンUには胃酸の分泌を抑え、胃粘膜を保護する働きがあります。ビタミンUはキャベツ、ホウレンソウ、アスパラガスなどのほか、アオノリにも含まれています。
 空腹時間が長いと、胃酸によって胃の粘膜が荒れます。1日3回の食事を規則正しくとりましょう。食間にあたためた牛乳を飲んだり、軽い間食をとるのもいいでしょう。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「胃酸過多症」の意味・わかりやすい解説

胃酸過多症
いさんかたしょう
hyperacidity

過酸症ともいう。胃壁から塩酸が過剰に分泌される状態。試験食後1時間で,胃内容物の全酸度が 70度以上を示すものをいう。十二指腸潰瘍の場合が最も多く,次いで胃炎にみられる。自覚症状は,食後1~3時間で起る胃部の圧迫感や緊張感,胸やけ,酸性おくびなどであるが,こうした症状は無酸症の場合にも出現することがあるので,胃液の酸度とは必ずしも併行しない。一般的には有形無形の刺激による胃の興奮状態が直接原因であるから,ストレスから食事内容まで,胃の負担を軽くすることが第1の対策で,1回の食事量を減らし回数をふやすこと,食後の静臥,睡眠姿勢の改善,制酸剤の投与,香辛料やコーヒーの制限などがしばしば奏効する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「胃酸過多症」の意味・わかりやすい解説

胃酸過多症
いさんかたしょう

過酸症

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栄養・生化学辞典 「胃酸過多症」の解説

胃酸過多症

 →胃酸過多

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