背美鯨(読み)セミクジラ

デジタル大辞泉 「背美鯨」の意味・読み・例文・類語

せみ‐くじら〔‐くぢら〕【背美鯨】

クジラセミクジラ科の哺乳類。中形のヒゲクジラで、体長15~20メートル。背びれがなく、全身黒色で、頭部が巨大。泳ぎが遅く潜水時間短い北大西洋北太平洋分布。乱獲されて減少し、現在は国際捕鯨取締条約により捕獲禁止。せびくじら。
[類語]鬚鯨長須鯨白長須鯨座頭鯨歯鯨抹香鯨しゃち海豚いるか儒艮じゅごん

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精選版 日本国語大辞典 「背美鯨」の意味・読み・例文・類語

せみ‐くじら‥くぢら【背美鯨】

  1. 〘 名詞 〙 セミクジラ科のクジラ。体長約一五メートル。体はよく肥え、頭が大きく体長の約四分の一を占める。頭の先端ボンネットという角質のこぶ状突起がある。背は黒色で腹面は白く、体側に雲形斑がある。くじらひげは黒色で長さは三メートルに達する。北太平洋のほか世界の海洋に広く分布するが乱獲によって減少。現在、国際捕鯨条約で捕獲を禁止。肉は食用、くじらひげは工芸品の材料としてすぐれる。せび。背乾鯨(せびくじら)
    1. [初出の実例]「突てしほはしめてうすしせみくしら〈玖也〉」(出典:俳諧・桜川(1674)冬二)

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知恵蔵mini 「背美鯨」の解説

セミクジラ

ヒゲクジラ亜目セミクジラ科セミクジラ属に属する大型のクジラ類の一種。背びれのない背中が美しいことから、日本では「セミクジラ」(背美鯨)と名付けられた。体色は黒で、体長は15〜20メートル。頭部は体長の4分の1以上を占めるほど大きく、こぶ状の突起がある。食生は肉食で、動物プランクトンなどの微生物を食べる。北太平洋に生息し、夏季は繁殖のため北に、冬季越冬のため南に回遊するとされるが、詳しい生態は解明されていない。古くから日本やアラスカなどで捕鯨の対象とされ、19世紀には欧米諸国による商業捕鯨も活発化したことから、個体数が激減。1935年より国際捕鯨委員会(IWC)が国際法による保護を行っている。96年以降は国際自然保護連合(IUCN)がレッドリストに絶滅危惧種として指定している。日本沿岸部やベーリング海など各地で目撃例はあるものの、2014年現在、正確な個体数は分かっていない。

(2014-2-3)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「背美鯨」の解説

脊美鯨 (セミクジラ)

学名:Eubalaena glacialis
動物。セミクジラ科のヒゲクジラ

背美鯨 (セミクジラ)

学名:Eubalaena glacialis
動物。セミクジラ科のヒゲクジラ

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