百科事典マイペディア
「臍帯ヘルニア」の意味・わかりやすい解説
臍帯ヘルニア【さいたいヘルニア】
臍ヘルニアの一種。臍輪,臍帯の先天性異常で,原因は妊娠初期に腹壁の閉鎖が完全に行われなかったため。脱出する臓器は主として腸だが,胃,肝臓,腎臓など腹部内臓のほとんどが脱出する場合もある。重症のものは心臓の形態異常,腹壁の形態不全などを合併していることもあり,生後まもなく死亡する。小さいものは,圧迫して中に入れ絆創膏(ばんそうこう)で固定しておくと治ることもあるが,ヘルニア門(臍輪)の大きいもの,圧迫して中に入れることが困難なものは手術が必要。
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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家庭医学館
「臍帯ヘルニア」の解説
さいたいへるにあ【臍帯ヘルニア】
生まれつき腹壁(ふくへき)が不完全なため、臍(へそ)の緒(お)(臍帯(さいたい))の中に内臓が脱出する先天異常です。臍の皮膚が欠損(けっそん)しているため、臍帯の半透明な膜の下に腸や肝臓(かんぞう)が透けて見えます。
治療は、腸だけ出ている小さなヘルニアでは、臍帯を切除して腹壁を閉じます。
肝臓が出ているような大きなヘルニアでは、臍帯を医療用の布で一時的におおい、10日ほどかけて布を少しずつ縫い縮めて内臓を腹腔(ふくくう)に押し戻し、腹壁を閉じます。
出典 小学館家庭医学館について 情報
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臍帯ヘルニア
さいたいヘルニア
omphalocele
胎児の腸管は胎生7週頃には臍帯の中に存在しているが,10週頃になると腹腔内に収まる。この機転に異変が生じて,新生児の腸管が薄い被膜におおわれて体腔外に脱出している状態をいう。早期に手術しなければ,感染や破裂などを起して死亡するが,高度の臍帯ヘルニアの場合には他の奇形を合併していたり,手術できないことが多く,予後は悪い。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の臍帯ヘルニアの言及
【ヘルニア】より
…臍(さい)ヘルニアumbilical herniaは,弱い部分であるへそに腸がとび出す,いわゆる〈出べそ〉で,乳幼児に多くみられる。生まれつきの大きな臍帯の中に内臓が脱出するのは臍帯ヘルニアomphalocele herniaで,皮膚が欠損しているため外から内臓を見ることができる特異なヘルニアである。へその上の腹壁正中線上の弱い部分には上腹壁ヘルニアepigastric herniaができる。…
※「臍帯ヘルニア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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