臨床工学技士(読み)りんしょうこうがくぎし(英語表記)clinical engineer

日本大百科全書(ニッポニカ)「臨床工学技士」の解説

臨床工学技士
りんしょうこうがくぎし
clinical engineer

厚生労働大臣の免許を受けて、医師指示もとに、生命維持管理装置操作および保守点検を行うことを業とする者である(臨床工学技士法2条2項)。略称CE

 生命維持管理装置とは、「人の呼吸、循環又は代謝の機能の一部を代替し、又は補助することが目的とされている装置」(同法2条1項)のことで、診療報酬点数における医療機器安全管理料(2020年度)の定義では「人工心肺装置及び補助循環装置、人工呼吸器、血液浄化装置、除細動装置及び閉鎖式保育器」とされている。実際の業務ではさらに幅広い医療機器を管理対象としており、おもな業務としては、呼吸治療業務(人工呼吸器)、心臓手術業務(人工心肺装置)、心血管カテーテル検査業務、不整脈治療業務(ペースメーカー)、血液浄化業務(人工透析装置)、手術室業務、集中治療室業務、医療機器の保守管理業務(前述の機器および輸液ポンプ、シリンジポンプ、生体情報モニター等)、医療安全管理業務(医療機器安全管理責任者、医療従事者に対する医療機器の安全使用のための研修、医療機器の安全使用のための情報収集等)などがある。近年の医療機器の進歩と普及を背景に業務範囲とニーズは拡大しつつある。

 臨床工学技士は国家資格である。臨床工学技士になろうとする者は、臨床工学技士国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない(同法3条)。国家試験の受験資格を得るには、臨床工学技士養成課程のある養成校(大学、専門学校等)で厚生労働大臣の指定する科目を修得しなければならない。医学と工学の両面の知識とスキルを有し、チーム医療と医療安全を支える重要な専門職である。

[前田幸宏 2021年3月22日]

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知恵蔵mini「臨床工学技士」の解説

臨床工学技士

医師の指示の下、人工呼吸器や人工透析装置、人工心肺装置など、生命を維持するための装置を操作し、その保守と点検を行う専門職。医療機器の進歩や高度化・複雑化に伴い、医学的・工学的な知識を持つ専門職が必要となったために1988年施行された「臨床工学技士法」に基づいてつくられた国家資格である。高校卒業後、臨床工学技士養成課程のある4年制大学、短大または専門学校(3年制)で所定の課程を修了することで国家試験の受験資格が得られる。一般的に「CE(Clinical Engineer)」または「ME(Medical Engineer)」とも呼ばれる。

(2017-2-21)

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デジタル大辞泉「臨床工学技士」の解説

りんしょうこうがく‐ぎし〔リンシヤウコウガク‐〕【臨床工学技士】

医師の監督指導のもとで、生命維持管理装置など医療機器の操作・保守点検を担当する技術者。昭和63年(1988)臨床工学技士法に基づいて新設された国家資格。

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