日本語の文法論で、単独で文節を構成することのできる単語を「自立語」という。橋本文法(橋本進吉の文法論)では、文の構成について、語(単語)が文節を構成し、文節が文を構成するというように、二段構えで考える。「今日もよいお天気です。」という文は、実際の言語としてできるだけ多くくぎると、「今日も―よい―お天気です。」の三つに分かれるが、この一つ一つが文節であり、「今日」「よい」「お天気」のように単独で文節をつくれる語が自立語、「も」「です」のように単独で文節をつくれない語が付属語である。この用語は、橋本文法を根幹とする文部省『中等文法』(1947)によって普及したが、橋本自身の著書では、自立語は「詞」「独立する語」、付属語は「辞」「付属する語」とよばれる。なお、自立語には、名詞、動詞、形容詞、形容動詞、副詞、連体詞、接続詞、感動詞が含まれる。
[山口佳紀]
『橋本進吉著『国語法研究』(1948・岩波書店)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…文を文節に分けるには,これが最も簡便な目安である)。日本語の単語は,〈(それ自身あるいはその活用形が)単独で文節をなしうるか否か〉によって,自立語(詞)と付属語(辞)とに大別され(後者はいわゆる助詞・助動詞,前者はそれ以外),1文節は,自立語1語で,あるいはその後に付属語1語ないし数語が伴われる形で,構成される。 連続した二つ以上の文節が一つのまとまりをなすと見られるとき,これを〈連文節〉という。…
※「自立語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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