舌骨(読み)ゼッコツ

デジタル大辞泉 「舌骨」の意味・読み・例文・類語

ぜっ‐こつ【舌骨】

舌の基底にあるU字形の骨。

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精選版 日本国語大辞典 「舌骨」の意味・読み・例文・類語

ぜっ‐こつ【舌骨】

  1. 〘 名詞 〙 舌根喉頭(こうとう)の間で、凸部を前方に向けてほぼ水平に位置するU字形の小骨。舌へいく筋肉のほか多くの筋肉がつく。前頸(ぜんけい)部上端の皮膚上から触れることができる。
    1. [初出の実例]「その不聞たらくの宗旨は、舌骨に罣礙せられて不聞なり」(出典:正法眼蔵(1231‐53)仏向上事)
    2. [その他の文献]〔解体新書(1774)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「舌骨」の意味・わかりやすい解説

舌骨
ぜっこつ

下顎骨(かがくこつ)の下方で、舌根(ぜっこん)部と喉頭(こうとう)との間に位置している無対の骨。舌骨は顔面頭蓋(とうがい)を構成する顔面骨に属しているが、この骨のみは他の頭蓋骨から完全に分離・独立している。全体にU字形をしている小骨で、凸部を前方に向けてほぼ水平に位置する。凸部を体部とよび、舌骨ではもっとも太い部分である。この体部両側から後方に向かって大角とよぶ細長い突起が続く。前頸部(ぜんけいぶ)の甲状軟骨のすぐ上端の皮膚の上から、この体部に触れることができる。

[嶋井和世]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「舌骨」の意味・わかりやすい解説

舌骨
ぜっこつ
hyoid bone

舌根中にあって下顎骨と喉頭上端との間にあるU字形の小骨で,幼年期には軟骨であるが,成人では骨化する。中央部の体,および両端部の各1対の大角と小角から成り,舌を支え,いくつかの舌筋の起始部となり,開口運動に関与する。茎状突起や下顎骨などとの間は筋や靭帯で結合されているが,どの骨とも関節を形成せず,まったく独立している。

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改訂新版 世界大百科事典 「舌骨」の意味・わかりやすい解説

舌骨 (ぜっこつ)

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世界大百科事典(旧版)内の舌骨の言及

【喉頭】より

…爬虫類や鳥類でもほぼ同じ構造であるが,ワニ類では甲状軟骨をももつ。哺乳類では喉頭口を閉じる喉頭蓋軟骨が加わり,靱帯と喉頭内筋・外筋,それと舌骨装置の甲状舌骨などと連結して,それぞれの生活様式に適応した複雑な構造となる。高等哺乳類では喉頭の声門部に1対の声帯ひだがあり,このひだの呼気あるいは吸気による空気の振動により喉頭原音を出す。…

【頭骨】より

…狭義には,頭骨は脊柱の前端(上端)に連結して,脳や目,耳,鼻など主要な感覚器および呼吸器,消化器の入口を保護または支持する,骨性または軟骨性の複合的構造だけを指し,下あごなどほかの骨格を含まない。広義にはこの構造と下あごの骨格との複合体を指し,さらに最も広義にはこれらのほか,舌骨やえらの骨格までも含めた全体的骨格を意味する。頭骨はまた頭蓋(ずがい)(cranium,解剖学では〈とうがい〉とよむ)ともいい,俗に頭蓋骨ともいうが,頭蓋は狭義の頭骨で,ふつうは下顎(かがく)骨格を含まない。…

※「舌骨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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