日本大百科全書(ニッポニカ) 「芥川賞受賞作」の意味・わかりやすい解説
芥川賞受賞作
あくたがわしょうじゅしょうさく
第1回(1935年度上期)
石川達三(いしかわたつぞう)「蒼氓(そうぼう)」
第2回(1935年度下期)
該当作なし
第3回(1936年度上期)
鶴田知也(つるたともや)「コシャマイン記」
小田嶽夫(おだたけお)「城外」
第4回(1936年度下期)
石川淳(いしかわじゅん)「普賢(ふげん)」
富沢有為男(とみざわういお)「地中海」
第5回(1937年度上期)
尾崎一雄(おざきかずお)「暢気眼鏡(のんきめがね)」ほか
第6回(1937年度下期)
火野葦平(ひのあしへい)「糞尿譚(ふんにょうたん)」
第7回(1938年度上期)
中山義秀(なかやまぎしゅう)「厚物咲(あつものざき)」
第8回(1938年度下期)
中里恒子(なかざとつねこ)「乗合馬車」ほか
第9回(1939年度上期)
長谷健(はせけん)「あさくさの子供」
半田義之(はんだよしゆき)「鶏騒動」
第10回(1939年度下期)
寒川光太郎(さむかわこうたろう)「密猟者」
第11回(1940年度上期)
該当作なし
第12回(1940年度下期)
桜田常久(さくらだつねひさ)「平賀源内」
第13回(1941年度上期)
多田裕計(ただゆうけい)「長江デルタ」
第14回(1941年度下期)
芝木好子(しばきよしこ)「青果の市」
第15回(1942年度上期)
該当作なし
第16回(1942年度下期)
倉光俊夫(くらみつとしお)「連絡員」
第17回(1943年度上期)
石塚喜久三(いしづかきくぞう)「纏足(チャンズウ)の頃(ころ)」
第18回(1943年度下期)
東野辺薫(とうのべかおる)「和紙」
第19回(1944年度上期)
八木義徳(やぎよしのり)「劉広福(リュウカンフウ)」
小尾十三(おびじゅうぞう)「登攀(とうはん)」
第20回(1944年度下期)
清水基吉(しみずもとよし)「雁立(かりたち)」
第21回(1949年度上期)
由起(ゆき)しげ子「本の話」
小谷剛(こたにつよし)「確証」
第22回(1949年度下期)
井上靖(いのうえやすし)「闘牛」
第23回(1950年度上期)
辻亮一(つじりょういち)「異邦人」
第24回(1950年度下期)
該当作なし
第25回(1951年度上期)
石川利光(いしかわとしみつ)「春の草」ほか
安部公房(あべこうぼう)「壁―S・カルマ氏の犯罪」
第26回(1951年度下期)
堀田善衛(ほったよしえ)「広場の孤独」「漢奸(かんかん)」ほか
第27回(1952年度上期)
該当作なし
第28回(1952年度下期)
五味康祐(ごみやすすけ)「喪神(そうしん)」
松本清張(まつもとせいちょう)「或(あ)る「小倉(こくら)日記」伝」
第29回(1953年度上期)
安岡章太郎(やすおかしょうたろう)「悪い仲間」「陰気な愉(たの)しみ」
第30回(1953年度下期)
該当作なし
第31回(1954年度上期)
吉行淳之介(よしゆきじゅんのすけ)「驟雨(しゅうう)」ほか
第32回(1954年度下期)
小島信夫(こじまのぶお)「アメリカン・スクール」
庄野潤三(しょうのじゅんぞう)「プールサイド小景」
第33回(1955年度上期)
遠藤周作(えんどうしゅうさく)「白い人」
第34回(1955年度下期)
石原慎太郎(いしはらしんたろう)「太陽の季節」
第35回(1956年度上期)
近藤啓太郎(こんどうけいたろう)「海人舟(あまぶね)」
第36回(1956年度下期)
該当作なし
第37回(1957年度上期)
菊村到(きくむらいたる)「硫黄(いおう)島」
第38回(1957年度下期)
開高健(かいこうたけし)「裸の王様」
第39回(1958年度上期)
大江健三郎(おおえけんざぶろう)「飼育」
第40回(1958年度下期)
該当作なし
第41回(1959年度上期)
斯波四郎(しばしろう)「山塔(さんとう)」
第42回(1959年度下期)
該当作なし
第43回(1960年度上期)
北杜夫(きたもりお)「夜と霧の隅で」
第44回(1960年度下期)
三浦哲郎(みうらてつお)「忍ぶ川」
第45回(1961年度上期)
該当作なし
第46回(1961年度下期)
宇能鴻一郎(うのこういちろう)「鯨神(くじらがみ)」
第47回(1962年度上期)
川村晃(かわむらあきら)「美談の出発」
第48回(1962年度下期)
該当作なし
第49回(1963年度上期)
後藤紀一(ごとうきいち)「少年の橋」
河野多恵子(こうのたえこ)「蟹(かに)」
第50回(1963年度下期)
田辺聖子(たなべせいこ)「感傷旅行(センチメンタル・ジャーニイ)」
第51回(1964年度上期)
柴田翔(しばたしょう)「されどわれらが日々――」
第52回(1964年度下期)
該当作なし
第53回(1965年度上期)
津村節子(つむらせつこ)「玩具(がんぐ)」
第54回(1965年度下期)
高井有一(たかいゆういち)「北の河」
第55回(1966年度上期)
該当作なし
第56回(1966年度下期)
丸山健二(まるやまけんじ)「夏の流れ」
第57回(1967年度上期)
大城立裕(おおしろたつひろ)「カクテル・パーティー」
第58回(1967年度下期)
柏原兵三(かしわばらひょうぞう)「徳山道助(とくやまどうすけ)の帰郷」
第59回(1968年度上期)
大庭(おおば)みな子「三匹の蟹」
丸谷才一(まるやさいいち)「年の残り」
第60回(1968年度下期)
該当作なし
第61回(1969年度上期)
庄司薫(しょうじかおる)「赤頭巾(あかずきん)ちゃん気をつけて」
田久保英夫(たくぼひでお)「深い河」
第62回(1969年度下期)
清岡卓行(きよおかたかゆき)「アカシヤの大連(だいれん)」
第63回(1970年度上期)
古山高麗雄(ふるやまこまお)「プレオー8(ユイット)の夜明け」
吉田知子(よしだともこ)「無明長夜」
第64回(1970年度下期)
古井由吉(ふるいよしきち)「杳子(ようこ)」
第65回(1971年度上期)
該当作なし
第66回(1971年度下期)
李恢成(りかいせい)「砧(きぬた)をうつ女」
東峰夫(ひがしみねお)「オキナワの少年」
第67回(1972年度上期)
宮原昭夫(みやはらあきお)「誰(だれ)かが触った」
畑山博(はたやまひろし)「いつか汽笛を鳴らして」
第68回(1972年度下期)
郷静子(ごうしずこ)「れくいえむ」
山本道子(やまもとみちこ)「ベティさんの庭」
第69回(1973年度上期)
三木卓(みきたく)「鶸(ひわ)」
第70回(1973年度下期)
森敦(もりあつし)「月山(がっさん)」
野呂邦暢(のろくにのぶ)「草のつるぎ」
第71回(1974年度上期)
該当作なし
第72回(1974年度下期)
阪田寛夫(さかたひろお)「土の器」
日野啓三(ひのけいぞう)「あの夕陽」
第73回(1975年度上期)
林京子(はやしきょうこ)「祭りの場」
第74回(1975年度下期)
中上健次(なかがみけんじ)「岬(みさき)」
岡松和夫(おかまつかずお)「志賀島(しかのしま)」
第75回(1976年度上期)
村上龍(むらかみりゅう)「限りなく透明に近いブルー」
第76回(1976年度下期)
該当作なし
第77回(1977年度上期)
三田誠広(みたまさひろ)「僕って何」
池田満寿夫(いけだますお)「エーゲ海に捧(ささ)ぐ」
第78回(1977年度下期)
宮本輝(みやもとてる)「螢川(ほたるがわ)」
高城修三(たきしゅうぞう)「榧(かや)の木祭り」
第79回(1978年度上期)
高橋三千綱(たかはしみちつな)「九月の空」
高橋揆一郎(たかはしきいちろう)「伸予(のぶよ)」
第80回(1978年度下期)
該当作なし
第81回(1979年度上期)
重兼芳子(しげかねよしこ)「やまあいの煙」
青野聰(あおのそう)「愚者の夜」
第82回(1979年度下期)
森禮子(もりれいこ)「モッキングバードのいる町」
第83回(1980年度上期)
該当作なし
第84回(1980年度下期)
尾辻克彦(おつじかつひこ)「父が消えた」
第85回(1981年度上期)
吉行理恵(よしゆきりえ)「小さな貴婦人」
第86回(1981年度下期)
該当作なし
第87回(1982年度上期)
該当作なし
第88回(1982年度下期)
唐十郎(からじゅうろう)「佐川君からの手紙」
加藤幸子(かとうゆきこ)「夢の壁」
第89回(1983年度上期)
該当作なし
第90回(1983年度下期)
笠原淳(かさはらじゅん)「杢二(もくじ)の世界」
高樹(たかぎ)のぶ子「光抱く友よ」
第91回(1984年度上期)
該当作なし
第92回(1984年度下期)
木崎(きざき)さと子「青桐(あおぎり)」
第93回(1985年度上期)
該当作なし
第94回(1985年度下期)
米谷(こめたに)ふみ子「過越(すぎこ)しの祭」
第95回(1986年度上期)
該当作なし
第96回(1986年度下期)
該当作なし
第97回(1987年度上期)
村田喜代子(むらたきよこ)「鍋(なべ)の中」
第98回(1987年度下期)
池澤夏樹(いけざわなつき)「スティル・ライフ」
三浦清宏(みうらきよひろ)「長男の出家」
第99回(1988年度上期)
新井満(あらいまん)「尋ね人の時間」
第100回(1988年度下期)
南木佳士(なぎけいし)「ダイヤモンドダスト」
李良枝(イヤンジ)「由煕(ユヒ)」
第101回(1989年度上期)
該当作なし
第102回(1989年度下期)
瀧澤美恵子(たきざわみえこ)「ネコババのいる町で」
大岡玲(おおおかあきら)「表層生活」
第103回(1990年度上期)
辻原登(つじはらのぼる)「村の名前」
第104回(1990年度下期)
小川洋子(おがわようこ)「妊娠カレンダー」
第105回(1991年度上期)
辺見庸(へんみよう)「自動起床装置」
荻野(おぎの)アンナ「背負い水」
第106回(1991年度下期)
松村栄子(まつむらえいこ)「至高聖所(アバトーン)」
第107回(1992年度上期)
藤原智美(ふじわらともみ)「運転士」
第108回(1992年度下期)
多和田葉子(たわだようこ)「犬婿入り」
第109回(1993年度上期)
吉目木晴彦(よしめきはるひこ)「寂寥郊野(せきりょうこうや)」
第110回(1993年度下期)
奥泉光(おくいずみひかる)「石の来歴」
第111回(1994年度上期)
笙野頼子(しょうのよりこ)「タイムスリップ・コンビナート」
室井光広(むろいみつひろ)「おどるでく」
第112回(1994年度下期)
該当作なし
第113回(1995年度上期)
保坂和志(ほさかかずし)「この人の閾(いき)」
第114回(1995年度下期)
又吉栄喜(またよしえいき)「豚の報い」
第115回(1996年度上期)
川上弘美(かわかみひろみ)「蛇を踏む」
第116回(1996年度下期)
柳美里(ゆうみり)「家族シネマ」
辻仁成(つじひとなり)「海峡の光」
第117回(1997年度上期)
目取真俊(めどるましゅん)「水滴」
第118回(1997年度下期)
該当作なし
第119回(1998年度上期)
藤沢周(ふじさわしゅう)「ブエノスアイレス午前零時」
花村萬月(はなむらまんげつ)「ゲルマニウムの夜」
第120回(1998年度下期)
平野啓一郎(ひらのけいいちろう)「日蝕(にっしょく)」
第121回(1999年度上期)
該当作なし
第122回(1999年度下期)
玄月(げんげつ)「蔭(かげ)の棲(す)みか」
藤野千夜(ふじのちや)「夏の約束」
第123回(2000年度上期)
町田康(まちだこう)「きれぎれ」
松浦寿輝(まつうらひさき)「花腐(くた)し」
第124回(2000年度下期)
青来有一(せいらいゆういち)「聖水」
堀江敏幸(ほりえとしゆき)「熊の敷石」
第125回(2001年度上期)
玄侑宗久(げんゆうそうきゅう)「中陰の花」
第126回(2001年度下期)
長嶋有(ながしまゆう)「猛スピードで母は」
第127回(2002年度上期)
吉田修一(よしだしゅういち)「パーク・ライフ」
第128回(2002年度下期)
大道珠貴(だいどうたまき)「しょっぱいドライブ」
第129回(2003年度上期)
吉村萬壱(よしむらまんいち)「ハリガネムシ」
第130回(2003年度下期)
金原(かねはら)ひとみ「蛇にピアス」
綿矢(わたや)りさ「蹴(け)りたい背中」
第131回(2004年度上期)
モブ・ノリオ「介護入門」
第132回(2004年度下期)
阿部和重(あべかずしげ)「グランド・フィナーレ」
第133回(2005年度上期)
中村文則(なかむらふみのり)「土の中の子供」
第134回(2005年度下期)
絲山秋子(いとやまあきこ)「沖で待つ」
第135回(2006年度上期)
伊藤たかみ「八月の路上に捨てる」
第136回(2006年度下期)
青山七恵(あおやまななえ)「ひとり日和(びより)」
第137回(2007年度上期)
諏訪哲史(すわてつし)「アサッテの人」
第138回(2007年度下期)
川上未映子(かわかみみえこ)「乳(ちち)と卵(らん)」
第139回(2008年度上期)
楊逸(ヤンイー)「時が滲(にじ)む朝」
第140回(2008年度下期)
津村記久子(つむらきくこ)「ポトスライムの舟」
第141回(2009年度上期)
磯崎憲一郎(いそざきけんいちろう)「終(つい)の住処(すみか)」
第142回(2009年度下期)
該当作なし
第143回(2010年度上期)
赤染晶子(あかぞめあきこ)「乙女の密告」
第144回(2010年度下期)
朝吹真理子(あさぶきまりこ)「きことわ」
西村賢太(にしむらけんた)「苦役列車」
第145回(2011年度上期)
該当作なし
第146回(2011年度下期)
円城塔(えんじょうとう)「道化師の蝶(ちょう)」
田中慎弥(たなかしんや)「共喰(ともぐ)い」
第147回(2012年度上期)
鹿島田真希(かしまだまき)「冥土(めいど)めぐり」
第148回(2012年度下期)
黒田夏子(くろだなつこ)「ab(エイビー)さんご」
第149回(2013年度上期)
藤野可織(ふじのかおり)「爪と目」
第150回(2013年度下期)
小山田浩子(おやまだひろこ)「穴」
第151回(2014年度上期)
柴崎友香(しばさきともか)「春の庭」
第152回(2014年度下期)
小野正嗣(おのまさつぐ)「九年前の祈り」
第153回(2015年度上期)
羽田圭介(はだけいすけ)「スクラップ・アンド・ビルド」
又吉直樹(またよしなおき)「火花」
第154回(2015年度下期)
滝口悠生(たきぐちゆうしょう)「死んでいない者」
本谷有希子(もとやゆきこ)「異類婚姻譚(いるいこんいんたん)」
第155回(2016年度上期)
村田沙耶香(むらたさやか)「コンビニ人間」
第156回(2016年度下期)
山下澄人(やましたすみと)「しんせかい」
第157回(2017年度上期)
沼田真佑(ぬまたしんすけ)「影裏(えいり)」
第158回(2017年度下期)
石井遊佳(いしいゆうか)「百年泥(どろ)」
若竹千佐子(わかたけちさこ)「おらおらでひとりいぐも」
第159回(2018年度上期)
高橋弘希(たかはしひろき)「送り火」
第160回(2018年度下期)
上田岳弘(うえだたかひろ)「ニムロッド」
町屋良平(まちやりょうへい)「1R(いちラウンド)1分34秒」
第161回(2019年度上期)
今村夏子(いまむらなつこ)「むらさきのスカートの女」
第162回(2019年度下期)
古川真人(ふるかわまこと)「背高泡立草(せいたかあわだちそう)」
第163回(2020年度上期)
高山羽根子(たかやまはねこ)「首里の馬」
遠野遥(とおのはるか)「破局」
第164回(2020年度下期)
宇佐見(うさみ)りん「推し、燃ゆ」
第165回(2021年度上期)
石沢麻依(いしざわまい)「貝に続く場所にて」
李琴峰(りことみ)「彼岸花(ひがんばな)が咲く島」
第166回(2021年度下期)
砂川文次(すなかわぶんじ)「ブラックボックス」
第167回(2022年度上期)
高瀬隼子(たかせじゅんこ)「おいしいごはんが食べられますように」
第168回(2022年度下期)
井戸川射子(いどがわいこ)「この世の喜びよ」
佐藤厚志(さとうあつし)「荒地の家族」
第169回(2023年度上期)
市川沙央(いちかわさおう)「ハンチバック」
第170回(2023年度下期)
九段理江(くだんりえ)「東京都同情塔」
第171回(2024年度上期)
朝比奈秋(あさひなあき)「サンショウウオの四十九日」
松永K三蔵(まつながけーさんぞう)「バリ山行(さんこう)」
第172回(2024年度下期)
安堂(あんどう)ホセ「DTOPIA(デートピア)」
鈴木結生(すずきゆうい)「ゲーテはすべてを言った」
第173回(2025年度上期)
該当作なし
注:1945~1948年(昭和20~23)は中止