花登筐(読み)ハナトコバコ

デジタル大辞泉 「花登筐」の意味・読み・例文・類語

はなと‐こばこ【花登筐】

[1928~1983]放送作家小説家滋賀の生まれ。本名、善之助。劇団「笑いの王国」を主宰し、大村崑芦屋雁之助あしやがんのすけら上方の喜劇俳優を育てた。テレビドラマに「番頭はんと丁稚でっちどん」「細うで繁盛記」「どてらいやつ」など。小説に「銭牝ぜにめす」など。

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20世紀日本人名事典 「花登筐」の解説

花登 筐
ハナト コバコ

昭和期の放送作家,小説家,劇作家,演出家 元・東宝芸能常務;元・劇団喜劇主幹。



生年
昭和3(1928)年3月12日

没年
昭和58(1983)年10月3日

出生地
滋賀県大津

本名
花登 善之助(ハナト ゼンノスケ)

学歴〔年〕
同志社大学商学部〔昭和26年〕卒

主な受賞名〔年〕
芸術祭賞文部大臣特別奨励賞〔昭和41年〕,芸術祭賞文部大臣賞〔昭和43年〕,大阪府芸術賞〔昭和43年〕

経歴
学生時代からの芝居好きで、テレビ時代の幕開けとともに上方喜劇のヒットを飛ばしたが、「やりくりアパート」「番頭はんと丁稚どん」(昭和34〜36年)などが代表的番組。昭和29年OSミュージックの構成兼作家として東宝の専属となり、35年には大村崑、芦屋雁之助、小雁らと劇団笑いの王国を結成して東京にも進出。47年劇団喜劇主宰。その後も「じゅんさいはん」「あまくちからくち」「細うで繁盛記」「どてらい男」などの“商魂ドラマ”がヒットし、30年間に書いたテレビドラマは約6000本、舞台は500本。東宝芸能常務としても活躍した。小説の代表作に「銭牝」「ぬかるみの女」、戯曲に「粉雪の村」「天草の女」「さばの頭」など。著書に「私の裏切り裏切られ史」「花登筐長篇選集」(全10巻 講談社)などがある。50年女優・星由里子と結婚

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「花登筐」の意味・わかりやすい解説

花登筐
はなとこばこ

[生]1928.3.12. 大津
[没]1983.10.3. 東京
劇作家,放送作家。本名花登善之助。近江商人の伝統を継ぐ商家に生れる。 1951年同志社大学商学部卒業後,大阪船場の綿糸問屋に入社するが,胸を悪くして療養,2年で退社。退院後,OSミュージックのコントを書いて演出したのをきっかけにテレビ界に進出。大村崑,芦屋雁之助ら若手コメディアンを起用した『番頭はんと丁稚どん』 (1959~61) などの大ヒットで一躍喜劇作家として人気を得た。 60年劇団「笑いの王国」を結成して舞台活動を行う一方,テレビでは高度経済成長期に生きる人間像をいきいきと描いた浪花の「ど根性ドラマ」を次々と発表。 70年喜劇学校を創設,72年劇団「喜劇」を結成し,以後は舞台を中心に活躍した。代表作『細うで繁盛記』『どてらい男 (やつ) 』『あかんたれ』などをはじめ,テレビドラマ約 6000本,戯曲約 500本に上る作品を残した。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「花登筐」の解説

花登筐 はなと-こばこ

1928-1983 昭和時代後期の放送作家,劇作家。
昭和3年3月12日生まれ。34年テレビドラマ「番頭はんと丁稚(でっち)どん」が大当たり。以後「細うで繁盛記」「どてらい男(やつ)」などの根性ものを数おおくかいた。また劇団「笑いの王国」「喜劇」を主宰し,大村崑(こん),芦屋雁之助らをそだてた。昭和58年10月3日死去。55歳。滋賀県出身。同志社大卒。本名は善之助。小説に「銭牝(ぜにめす)」など。
【格言など】泣くは人生,笑うは修業,勝つは根性(座右銘)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「花登筐」の意味・わかりやすい解説

花登筐
はなとこばこ
(1928―1983)

放送作家、小説家。本名花登善之助。滋賀県生まれ。同志社大学経済学部卒業。コント作家を経て、テレビドラマ『番頭はんと丁稚(でっち)どん』(1959~1961)でヒットを飛ばし、以降、大阪を舞台にした根性ドラマを書き、人気放送作家となった。代表作に『堂島』『細うで繁昌記(はんじょうき)』『どてらい男(やつ)』など。大衆小説や商業演劇台本にも進出し、劇団「喜劇」を主宰した。

[水落 潔]

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367日誕生日大事典 「花登筐」の解説

花登 筐 (はなと こばこ)

生年月日:1928年3月12日
昭和時代の放送作家;劇作家。東宝芸能常務;劇団喜劇主幹
1983年没

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