若松寺(読み)じやくしようじ

日本歴史地名大系 「若松寺」の解説

若松寺
じやくしようじ

[現在地名]天童市山元 若松

山元やまもと集落より東方に入った奥羽山脈西端の丘陵上にある。鈴立山と号し、天台宗本尊聖観音。若松わかまつ観音と通称され、最上三十三観音の第一番札所縁起によれば、和銅元年(七〇八)行基が東国巡行の折開創し、貞観年中(八五九―八七七)慈覚大師円仁が山上から現在地に移して再興したと伝える。弘長三年(一二六三)五月八日成生なりゆう庄の藤原氏によって径七五センチの半肉彫鋳銅鍍金の聖観音像懸仏(国指定重要文化財)寄進されており、古くからこの地方の信仰を集めていたことが知られる。また永禄六年(一五六三)九月、寒河江さがえ大江家の家臣郷目貞繁が妻の菩提を弔うため、自ら描いて奉納した板絵著色神馬図(国指定重要文化財)がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

百科事典マイペディア 「若松寺」の意味・わかりやすい解説

若松寺【じゃくしょうじ】

山形県天童(てんどう)市にある天台宗の寺。本尊聖観音。若松観音と通称。行基(ぎょうき)開創,円仁(えんにん)再興と伝える。1263年に成生(なりゆう)荘の藤原氏が聖観音像懸仏(重要文化財)を寄進している。最上義光(もがみよしあき)は1584年山形六椹(むつくぬぎ)八幡宮の修験来吽(らいうん)院を若松観音の別当とし,230石の寺領を寄進,1611年には観音堂(重要文化財)の大修理を行った。

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デジタル大辞泉プラス 「若松寺」の解説

若松(じゃくしょう)寺

山形県天童市にある寺院。天台宗。山号は鈴立山。708年、行基による開創と伝わる。本尊を収める観音堂は国の重要文化財に指定。「若松観音」とも呼ばれる。最上三十三観音札所第1番札所。

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