茶臼山遺跡(読み)ちやうすやまいせき

日本歴史地名大系 「茶臼山遺跡」の解説

茶臼山遺跡
ちやうすやまいせき

[現在地名]諏訪市茶臼山

諏訪湖に面した手長てなが丘陵上、標高八六〇メートル、湖面からの比高九五メートルの小丘上にある遺跡。

昭和二七年(一九五二)発見され、ローム層中の上部に木炭や焼土を伴う二ヵ所の炉跡的な礫群が検出され、付近に濃密な石器分布があることから、該期の生活跡として注目された。また石器は総数八〇〇点に及び、ナイフ形石器と刃器状剥片を主体とする構成を示し、特に緑泥片岩製の局部磨製石斧は発見当初は混入物として処理されたが、後日、共伴石器として確認されたことや、また、近くのうわだいら遺跡に多い尖頭器を欠く点で、より古い段階の石器文化とされる。


茶臼山遺跡
ちやうすやまいせき

[現在地名]豊根村坂宇場

茶臼山の山頂に近い標高一二五〇メートルないし一三〇〇メートルの緩斜面に七ヵ所確認された先土器時代遺跡。昭和三六年(一九六一)と三八年に発掘調査が行われ、約三〇平方メートルの発掘区から九四点の石器が検出された。遺跡は放牧場の造成の際に表土層が削られ、遺物包含層である黄褐色土層の上面が露出していた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「茶臼山遺跡」の意味・わかりやすい解説

茶臼山遺跡
ちゃうすやまいせき

長野県諏訪(すわ)市上諏訪所在の先土器時代遺跡。霧ヶ峰火山台地突端の茶臼山と呼称される丘陵上に立地する。眼下に諏訪湖を望み、標高約855メートル、湖面からの比高約100メートル。1952年(昭和27)藤森栄一らが調査した。ローム層上面より数十センチメートルの深さから、炉址(ろし)状遺構2か所とともに黒曜石製を主とする石器約1000点が出土した。そのうち、ナイフ形石器と局部磨製石斧(せきふ)が特徴的である。本遺跡は関東地方以外で初めて調査された先土器時代遺跡として学史的に著名である。

戸沢充則

『戸沢充則「茶臼山石器文化」(『考古学集刊』1-4所収・1962・東京考古学会)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「茶臼山遺跡」の意味・わかりやすい解説

茶臼山遺跡
ちゃうすやまいせき

長野県諏訪市上諏訪茶臼山に所在する旧石器時代の遺跡。黒曜石製の石刃,ナイフ形石器,エンドスクレーパー,錐,彫刻器,および局部磨製石斧などが出土した。 1952年,藤森栄一らによって,関東以外で初めて発掘された旧石器文化遺跡として,学史的にも重要である。

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