日本大百科全書(ニッポニカ) 「菅島」の意味・わかりやすい解説
菅島
すがしま
三重県中東部、鳥羽(とば)市街の沖合い約3キロメートルにある島。鳥羽市に属する。旧菅島村。面積4.52平方キロメートル。紀伊山地の延長が沈水して生じた伊勢(いせ)湾口に並ぶ島列の一つで、答志(とうし)島に次いで大きい。中央に最高点の大山(237メートル)がある急峻(きゅうしゅん)な地形で、島の北西端のわずかな平地に集落と港がある。アワビ、サザエをとる海女(あま)漁業が盛んで、現在も133人(2002)の海女が働く。7月に行われるしろんご祭りは海女たちが豊漁を祈る祭りである。冬期にはノリやワカメの養殖が行われる。北東部にある灯台は1873年(明治6)建造の現在も使用されている日本最古のレンガ造り洋式灯台である。島の南端で良質の蛇紋岩を産し、採石場がある。福浦に名古屋大学臨海実験所がある。鳥羽佐田浜港から定期船が通う。人口763(2009)。
[伊藤達雄]