蔭贖(読み)おんしょく

精選版 日本国語大辞典 「蔭贖」の意味・読み・例文・類語

おん‐しょく【蔭贖】

  1. 〘 名詞 〙 律令規定でいう蔭を賜わった者の贖罪贖銅(しょくどう)など所定代償を官に納めて、当面犯罪に対する身体刑を免除された。おんぞく。→蔭位
    1. [初出の実例]「若有情故隠、与逃亡罪、不官当蔭贖」(出典続日本紀‐和銅二年(709)一〇月丙申)

いん‐しょく【蔭贖】

  1. 〘 名詞 〙おんしょく(蔭贖)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「蔭贖」の意味・わかりやすい解説

蔭贖 (おんしょく)

日本古代の律における刑事上の特典。贖罪一種天皇,三后,国家から特別の処遇を受けた者,七位・勲六等以上を有する者の,それぞれ一定範囲の親族に対して与えられる。それらの者が流罪以下を犯した場合,贖銅をもって実刑に代えることが許される。ただし五流等の重罪を犯した場合,また受蔭者が施蔭者本人に害を加えた場合等は,蔭贖の対象から除外される。詳細は養老名例律に規定されるが,その淵源唐律に由来する。
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