薄葬令(読み)はくそうれい

山川 日本史小辞典 改訂新版 「薄葬令」の解説

薄葬令
はくそうれい

646年(大化2)大化の改新に際して定められたとされる新しい喪葬の制度。従来の古墳築造に比して著しく簡素化されたところから薄葬令とよばれる。王以上,上臣,下臣,大仁・小仁,大礼以下小智以上,庶民にわけて,それぞれ墓の大きさ,役夫の人数,築造日数葬礼に用いる帷帳(ゆいちょう)の種類を定める。また殯(もがり)を禁止したほか,殉死や馬の殉葬宝物副葬,髪を切り股を刺して誄(しのびごと)するなどの「旧俗」もことごとく禁じられた。その実効性と対象範囲については諸説ある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「薄葬令」の意味・わかりやすい解説

薄葬令
はくそうれい

大化2 (646) 年に定めた墓制。従来の規模を縮小し,王 (皇族) 以上,上臣 (大臣) ,下臣 (大徳・小徳) ,大仁・小仁,大礼~小智,庶民 (無位者) の6等級の身分に応じて,玄室・封土の大小役丁の多少,日数,葬具の種類を規定した。

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旺文社日本史事典 三訂版 「薄葬令」の解説

薄葬令
はくそうれい

646年,大化の改新の一政策として出された中央豪族の大規模な墳墓を規制する法令
身分地位に応じて,墓の規模や役民の動員数,日数や喪葬用品を規定。令制に継承された。

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世界大百科事典(旧版)内の薄葬令の言及

【薄葬】より

…こうした事実は,推古朝前後における造墓規制の存在を示している。第3は,646年(大化2)3月に公布された詔,いわゆる大化薄葬令である。大化薄葬令については,その実質的な効力を疑問視する論考が多いが,この詔はあくまで,王以下から庶民に至るまでの身分秩序の確立を目ざしたものとみなすべきだろう。…

※「薄葬令」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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