藤井武(読み)ふじいたけし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「藤井武」の意味・わかりやすい解説

藤井武
ふじいたけし
(1888―1930)

無教会主義キリスト教の伝道者内村鑑三(うちむらかんぞう)門下の一人。東京帝国大学法科を卒業後、官吏生活を経て、1915年(大正4)内村助手となり、1920年、聖書研究会を組織して独立伝道に投じる。清純な人柄と熱烈な福音(ふくいん)信仰によって、無教会運動第二世代の指導的人物として多く感化を及ぼした。その長編詩「羔(こひつじ)の婚姻」は有名。個人月刊誌旧約新約』を主宰した。著作集には『藤井武全集』全12巻(1931)、『藤井武選集』全10巻(1959)がある。

[金井新二 2018年3月19日]

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20世紀日本人名事典 「藤井武」の解説

藤井 武
フジイ タケシ

大正・昭和期のキリスト教伝道者,聖書学者



生年
明治21(1888)年1月15日

没年
昭和5(1930)年7月14日

出生地
石川県金沢

学歴〔年〕
東京帝大法科大学政治学科〔明治44年〕卒

経歴
在学中の明治42年内村鑑三の聖書研究会員となり、柏会を作る。44年内務省に入り、京都府勤務、大正2年山形県警視、翌3年理事官となり、自治講習所を設立、人材養成に当たったが、4年辞任。上京し、内村の助手となったが、9年独立して聖書研究会を始め、雑誌「旧約と新約」を創刊、無教会主義の指導者として伝道を行った。主著に「聖書より見たる日本」、未完の長編詩「恙の婚姻」、「藤井武全集」(全10巻)など。

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改訂新版 世界大百科事典 「藤井武」の意味・わかりやすい解説

藤井武 (ふじいたけし)
生没年:1888-1930(明治21-昭和5)

無教会主義の伝道者。内村鑑三の弟子。金沢市に生まれ,東京帝国大学法科大学卒業後内務省官吏となって,京都府,山形県に勤務したが,1915年退官して内村の助手となった。5年後独立して伝道者となり,月刊誌《旧約と新約》を刊行した。文才があってミルトンの《失楽園》を訳し,またみずからこれに模して長詩《羔(こひつじ)の婚姻》を書いた。晩年には神学研究の必要を感じて教義史研究を行った。その文才と情熱が多くの人をひきつけ,《藤井武全集》は31年以後3度刊行された。
執筆者:

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「藤井武」の意味・わかりやすい解説

藤井武
ふじいたけし

[生]1888.1.15. 金沢
[没]1930.7.14. 東京
内村鑑三の無教会主義に立つ聖書研究者,伝道者。第一高等学校を経て 1911年東京帝国大学卒業。内務省の役人になったが,15年辞職,内村鑑三の助手となる。聖書研究に取組み,20年月刊誌『旧約と新約』を刊行,かたわら伝道に努めた。その多数の神学的著作は『藤井武全集』 (12巻,1931~32) に収められている。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤井武」の解説

藤井武 ふじい-たけし

1888-1930 大正-昭和時代前期の伝道者。
明治21年1月15日生まれ。大正4年内務省官吏を辞して内村鑑三の助手となり,無教会運動を指導する。のち独立して聖書研究会を組織し,月刊誌「旧約と新約」を発刊した。「藤井武全集」がある。昭和5年7月14日死去。43歳。石川県出身。東京帝大卒。旧姓は浅村。

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百科事典マイペディア 「藤井武」の意味・わかりやすい解説

藤井武【ふじいたけし】

内村鑑三門下のキリスト教伝道者。東大法科を卒業して官吏となったが,辞して内村の助手となり,のち独立。《旧約と新約》誌を編集,その終末論的信仰と詩人的風格とは多くの読者をひきつけた。ミルトン《失楽園》の訳業のほか,全集12巻がある。

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367日誕生日大事典 「藤井武」の解説

藤井 武 (ふじい たけし)

生年月日:1888年1月15日
大正時代;昭和時代のキリスト教伝道者
1930年没

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