中国、北宋(ほくそう)の文章家。字(あざな)は明允(めいいん)、号は老泉。蘇軾(そしょく)、蘇轍(そてつ)の父で、宋代を代表する優れた散文家。軾を大蘇、轍を小蘇とよぶのに対して老蘇といわれ、父子はあわせて「三蘇」と称され、そろって「唐宋八大家」に数えられている。中国文学史でも希有(けう)のことである。蘇洵はいまの四川(しせん)省の眉山(びざん)県で、教養人にはほど遠かった蘇序(そじょ)を父として生まれ、20代もなかばを過ぎて学問を始めた晩学の人であった。それゆえに官界への正規の道は開けず、欧陽修(おうようしゅう)に認められてしばらく朝廷の儀式次第集の編纂(へんさん)に加わったことはあるが、ついに民間の人として終わった。しかし独創的な軍事論、政策論を展開する散文は欧陽修らに高く評価され、その時代の言論界で重きをなした。『嘉祐(かゆう)集』をいまに伝える。
[山本和義 2016年2月17日]
『清水茂著『中国古典選 唐宋八家文 下』(1966・朝日新聞社/朝日文庫)』▽『『漢文大系 4 唐宋八家文 下』増補版(1972・冨山房)』
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中国,北宋の文学者。蘇軾(そしよく),蘇轍(そてつ)の父。父子を〈三蘇〉と称する。現在の四川省眉山県の人。晩学のゆえもあって官界に入ることはできなかったが,その散文は欧陽修らに高く評価された。その2子とともに〈唐宋八大家〉に数えられる。詩文集《嘉祐(かゆう)集》があるほか,欧陽修が主編した朝廷の儀式次第集である《太常因革礼》の編纂に加わっている。
執筆者:山本 和義
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1009~66
北宋の文人,学者。眉山(びざん)(四川省眉山県)の人。蘇軾(そしょく),蘇轍(そてつ)の父で老蘇とも呼ぶ。文章に優れ,唐宋八大家の一人。また制度,典故に通じ,『太常因革礼』を著し,礼制を正した。子の蘇軾・蘇轍兄弟と総称して三蘇と呼ぶ。
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