蘇洵(読み)ソジュン

デジタル大辞泉 「蘇洵」の意味・読み・例文・類語

そ‐じゅん【蘇洵】

[1009~1066]中国北宋文章家眉山びざん四川省)の人。あざな明允めいいん。号は老泉。唐宋八家一人。子の蘇軾そしょく蘇轍そてつと合わせて三蘇とよばれる。老蘇

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精選版 日本国語大辞典 「蘇洵」の意味・読み・例文・類語

そ‐じゅん【蘇洵】

  1. 中国、北宋の文人。字(あざな)明允。号は老泉。蘇軾(そしょく)蘇轍(そてつ)の父。軾の大蘇、轍の小蘇に対して老蘇という。唐宋八大家の一人。諸家の説に通じ、欧陽脩に「権書論衡」など二二編を認められ、宰相韓琦の薦めで秘書省校書郎となり、姚闢とともに「太常因革礼」を編集した。著に「嘉祐集」など。(一〇〇九‐六六

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「蘇洵」の意味・わかりやすい解説

蘇洵
そじゅん
(1009―1066)

中国、北宋(ほくそう)の文章家。字(あざな)は明允(めいいん)、号は老泉。蘇軾(そしょく)、蘇轍(そてつ)の父で、宋代を代表する優れた散文家。軾を大蘇、轍を小蘇とよぶのに対して老蘇といわれ、父子はあわせて「三蘇」と称され、そろって「唐宋八大家」に数えられている。中国文学史でも希有(けう)のことである。蘇洵はいまの四川(しせん)省の眉山(びざん)県で、教養人にはほど遠かった蘇序(そじょ)を父として生まれ、20代もなかばを過ぎて学問を始めた晩学の人であった。それゆえに官界への正規の道は開けず、欧陽修(おうようしゅう)に認められてしばらく朝廷の儀式次第集の編纂(へんさん)に加わったことはあるが、ついに民間の人として終わった。しかし独創的な軍事論、政策論を展開する散文は欧陽修らに高く評価され、その時代の言論界で重きをなした。『嘉祐(かゆう)集』をいまに伝える。

山本和義 2016年2月17日]

『清水茂著『中国古典選 唐宋八家文 下』(1966・朝日新聞社/朝日文庫)』『『漢文大系 4 唐宋八家文 下』増補版(1972・冨山房)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「蘇洵」の意味・わかりやすい解説

蘇洵
そじゅん
Su Xun

[生]大中祥符2(1009)
[没]治平3(1066)
中国,北宋の文学者。眉州眉山 (四川省) の人。字,明允。号,老泉。若い頃遊侠にふけったが,27歳のとき発奮して学問に打込み,科挙を受けたが落第。それまでの文章を全部焼き捨て,あらためて史論などの著述に励んだ。嘉祐1 (1056) 年,軾 (しょく) ,轍 (てつ) の2子を連れて上京,欧陽修に認められて一躍有名になった。その後朝廷に仕え,北宋以来の礼に関する書を集めた『太常因革礼』 (100巻) を編纂した。政治,歴史,経書などに関する評論も多く書き,子の蘇軾蘇轍とともに「三蘇」と呼ばれ,ともに「唐宋八大家」に数えられる。また,蘇洵を老蘇,蘇軾を大蘇,蘇轍を小蘇ともいう。文集を『嘉祐集』または『老泉先生集』といい,ほかに『諡法』 (4巻) の著が残る。

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改訂新版 世界大百科事典 「蘇洵」の意味・わかりやすい解説

蘇洵 (そじゅん)
Sū Xún
生没年:1009-66

中国,北宋の文学者。蘇軾(そしよく),蘇轍(そてつ)の父。父子を〈三蘇〉と称する。現在の四川省眉山県の人。晩学のゆえもあって官界に入ることはできなかったが,その散文は欧陽修らに高く評価された。その2子とともに〈唐宋八大家〉に数えられる。詩文集《嘉祐(かゆう)集》があるほか,欧陽修が主編した朝廷の儀式次第集である《太常因革礼》の編纂に加わっている。
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山川 世界史小辞典 改訂新版 「蘇洵」の解説

蘇洵(そじゅん)
Su Xun

1009~66

北宋の文人,学者。眉山(びざん)(四川省眉山県)の人。蘇軾(そしょく)蘇轍(そてつ)の父で老蘇とも呼ぶ。文章に優れ,唐宋八大家の一人。また制度,典故に通じ,『太常因革礼』を著し,礼制を正した。子の蘇軾・蘇轍兄弟と総称して三蘇と呼ぶ。

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旺文社世界史事典 三訂版 「蘇洵」の解説

蘇 洵
そじゅん

1009〜66
北宋の文人で,唐宋八大家のひとり
四川の人。老泉と号す。欧陽脩 (おうようしゆう) に認められ,仁宗のとき仕官して『太常因革礼』の編纂 (へんさん) にあたった。子の蘇軾 (そしよく) ・蘇轍 (そてつ) とともに三蘇と称される。著書『蘇老泉全集』。

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