中国、北宋(ほくそう)の政治家、文学者。字(あざな)は子由(しゆう)、号は潁浜遺老(えいひんいろう)。蘇轍は文人蘇洵(そじゅん)を父として、当時は蜀(しょく)とよばれていたいまの四川(しせん)省の眉山(びざん)県に生まれた。蘇軾(そしょく)(東坡(とうば))はその兄である。わずか19歳で兄と同期に科挙の進士科に及第、続いて制科(特別任用試験)にも合格して、官僚生活に入るが、王安石らが神宗皇帝に支持されて推し進めた新法(行財政革新策)に反対したため、その前半生はいたって不遇な生活を送った。のち元祐(げんゆう)年間(1086~1093)になって旧法党が政権を握ると、天子の側近に職を得て昇進を重ね、礼部尚書を経て参知政事(副宰相)に至ったが、晩年には兄に連座して流罪の辛酸をなめた。散文に優れて「唐宋八大家」に数えられ、詩は篤実な人柄を反映して穏やかな詩風である。『欒城(らんじょう)集』のほか、哲学、文学にわたる多くの著作を残している。
[山本和義 2016年2月17日]
『清水茂著『中国古典選 唐宋八家文 下』(1966・朝日新聞社/朝日文庫)』
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1039~1112
北宋の政治家,文人。眉山(びざん)(四川省眉山県)の人。唐宋八大家の一人。蘇洵(そじゅん)の次男。蘇軾(そしょく)(東坡(とうば))の弟。兄同様剛直な人で,青苗(せいびょう)法に反対して左遷され,新法時代は不遇であった。文章に優れ,『欒城(らんじょう)集』『龍川(りゅうせん)略志』『龍川別志』を著す。
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