蘇轍(読み)ソテツ

デジタル大辞泉 「蘇轍」の意味・読み・例文・類語

そ‐てつ【蘇轍】

[1039~1112]中国北宋の政治家・文学者。眉山びざん四川省)の人。あざなは子由。号は潁浜遺老えいひんいろう唐宋八家一人。父蘇洵そじゅん・兄蘇軾そしょくと合わせ三蘇とよばれる。小蘇。著「詩伝」「春秋伝」など。

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精選版 日本国語大辞典 「蘇轍」の意味・読み・例文・類語

そ‐てつ【蘇轍】

  1. 中国、北宋の文人。字(あざな)は子由。号は潁浜遺老(えいひんいろう)、欒城(らんじょう)。洵の子、軾の弟。洵の老蘇、軾の大蘇に対して小蘇といわれる。唐宋八大家の一人。仏教の影響の強い文章を書いた。王安石新法に反対し、兄に連座して流謫(るたく)。著に「詩伝」「欒城集」など。(一〇三九‐一一一二

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「蘇轍」の意味・わかりやすい解説

蘇轍
そてつ
(1039―1112)

中国、北宋(ほくそう)の政治家、文学者。字(あざな)は子由(しゆう)、号は潁浜遺老(えいひんいろう)。蘇轍は文人蘇洵(そじゅん)を父として、当時は蜀(しょく)とよばれていたいまの四川(しせん)省の眉山(びざん)県に生まれた。蘇軾(そしょく)(東坡(とうば))はその兄である。わずか19歳で兄と同期に科挙の進士科に及第、続いて制科(特別任用試験)にも合格して、官僚生活に入るが、王安石らが神宗皇帝に支持されて推し進めた新法(行財政革新策)に反対したため、その前半生はいたって不遇な生活を送った。のち元祐(げんゆう)年間(1086~1093)になって旧法党が政権を握ると、天子側近に職を得て昇進を重ね、礼部尚書を経て参知政事(副宰相)に至ったが、晩年には兄に連座して流罪の辛酸をなめた。散文に優れて「唐宋八大家」に数えられ、詩は篤実な人柄を反映して穏やかな詩風である。『欒城(らんじょう)集』のほか、哲学、文学にわたる多くの著作を残している。

山本和義 2016年2月17日]

『清水茂著『中国古典選 唐宋八家文 下』(1966・朝日新聞社/朝日文庫)』

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改訂新版 世界大百科事典 「蘇轍」の意味・わかりやすい解説

蘇轍 (そてつ)
Sū Zhé
生没年:1039-1112

中国,北宋の文人。蘇洵(そじゆん)の第3子として現在の四川省眉山県に生まれた。蘇軾(そしよく)は3歳年長の次兄である。19歳で兄軾と同時に科挙の進士科に及第して官界に入るが,新旧両党派の抗争のさなかにあって,旧法党の兄に連動するかたちで浮沈した。宰相に次ぐ尚書右丞がその最高位であるが,流罪の憂き目にも遭っている。篤実な人物で,詩文にすぐれ,《欒城(らんじよう)集》などの著作がある。〈唐宋八大家〉の一人。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「蘇轍」の意味・わかりやすい解説

蘇轍
そてつ
Su Zhe

[生]宝元2(1039)
[没]政和2(1112)
中国,北宋の文学者。眉州眉山 (四川省) の人。字,子由。号,潁浜 (えいひん) 。嘉祐2 (1057) 年兄の蘇軾 (そしょく) とともに進士に及第。兄と同じく,新法党から直言を敵視され,転変ただならぬ官吏生活をおくり,最後に大中大夫で辞職し,潁昌 (河南省) で余生を終った。父の蘇洵,兄の蘇軾に対し「小蘇」と呼ばれ,またともに「三蘇」と称される。文は「唐宋八大家」の一人に数えられるが,詩は軾にはるかに及ばない。詩文集『欒城 (らんじょう) 集』 (84巻) ,『詩伝』『春秋集伝』『古史』など。 (→唐宋八家文 )  

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「蘇轍」の解説

蘇轍(そてつ)
Su Zhe

1039~1112

北宋の政治家,文人。眉山(びざん)(四川省眉山県)の人。唐宋八大家の一人。蘇洵(そじゅん)の次男。蘇軾(そしょく)(東坡(とうば))の弟。兄同様剛直な人で,青苗(せいびょう)法に反対して左遷され,新法時代は不遇であった。文章に優れ,『欒城(らんじょう)集』『龍川(りゅうせん)略志』『龍川別志』を著す。

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旺文社世界史事典 三訂版 「蘇轍」の解説

蘇 轍
そてつ

1039〜1112
北宋の政治家・文人。唐宋八大家のひとり
四川の人。号は欒城 (らんじよう) 。蘇洵 (そじゆん) の子で蘇軾 (そしよく) の弟。王安石の青苗 (せいびよう) 法に反対して左遷され,兄の罪に連座して南に移されたが,哲宗の旧法党時代に門下侍郎(宰相)に昇進。詩文にすぐれ『欒城集』がある。

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367日誕生日大事典 「蘇轍」の解説

蘇 轍 (そ てつ)

生年月日:1039年2月20日
中国,北宋の文学者
1112年没

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