行政代執行法(読み)ギョウセイダイシッコウホウ

デジタル大辞泉 「行政代執行法」の意味・読み・例文・類語

ぎょうせい‐だいしっこうほう〔ギヤウセイダイシツカウハフ〕【行政代執行法】

行政上の強制執行手段として、代執行根拠および手続きを定めている法律。昭和23年(1948)施行

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精選版 日本国語大辞典 「行政代執行法」の意味・読み・例文・類語

ぎょうせい‐だいしっこうほうギャウセイダイシッカウハフ【行政代執行法】

  1. 〘 名詞 〙 代執行についての一般法。代執行をすることができる場合の手続、費用徴収について定める。昭和二三年(一九四八)施行。

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百科事典マイペディア 「行政代執行法」の意味・わかりやすい解説

行政代執行法【ぎょうせいだいしっこうほう】

行政上の強制執行方法の一つである代執行要件と手続を定めた法律(1948年)。代執行ができる場合を,他の手段では義務履行(りこう)の確保が困難でその履行の放置が著しく公益に反するときに限定し,その手続として戒告,通知,費用の徴収等の規定をおいている。工作物の除却河川道路原状回復,建築物の移転・除却などの義務は代執行の適する典型である。行政執行法(1900年)は代執行のほかに執行罰,直接強制を手段として認めていたが,新法施行と同時に後二者は廃された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「行政代執行法」の意味・わかりやすい解説

行政代執行法
ぎょうせいだいしっこうほう

昭和 23年法律 43号。行政法上の義務の履行を確保するための手段である代執行の根拠と手続を定めた一般法。行政上の強制執行の手段として代執行,執行罰および直接強制を一般的に認めた行政執行法 (明治 33年法律 84号) は行政代執行法により廃止された。行政代執行法は代替的行為 (代替的作為義務) について,一定の厳格な要件を満たしたとき,行政庁は,戒告と通知の手続を経たのち,みずから義務者のなすべき行為を行い,あるいは第三者に行わせて,その費用を義務者から徴収するとする。

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世界大百科事典(旧版)内の行政代執行法の言及

【強制執行】より

…地方税,代執行の費用,地方公共団体に納付すべき過料や法律で定める一定の使用料などについても,類似の方法による強制徴収が認められる。(2)作為,受忍,不作為の義務についての執行については,かつて行政執行法(1900公布)が,ドイツの法制をモデルとして,代執行,執行罰,直接強制の3種の手段を一般的に認めていたが,それに代わって1948年に公布された現行の行政代執行法は,代執行を一般的手段として認めるのみで,執行罰や直接強制は,現在では一般的手段としては認められず,特別な場合に限って特別法によってわずかに認められるにすぎない。代執行は,法令や行政行為によって課せられた代替的作為義務(他人が代わってしても目的を達成できる作為義務)を国民が履行しない場合に,行政庁が代わって義務の内容を行い,または第三者に行わしめて,その費用を義務者から徴収する手段であり,戒告と代執行令書による通知という二つの事前手続を経る。…

【警察官職務執行法】より

…とくに検束は,その反復によって長期間の身柄拘束用や犯罪捜査用に使われ,多くの人権侵害問題を生じていた。行政執行法は,日本国憲法の定める基本的人権尊重の趣旨に照らして1948年に廃止され,代りに,行政上の強制執行に関して行政代執行法(代執行)が,また警察官による即時強制に関する一般法として本法が,制定された。 本法の規定する警察上の手段を,その行使の対象となる事態により分類すると,犯罪に関連のある異常事態への手段として停止,質問,同行要求,凶器検査,生命,身体の救護に関連のある異常事態への手段として保護,天災,事変,雑踏等による危険事態への手段として警告,引止め,避難,〈必要な措置〉,立入り,犯罪による危険事態への手段として警告,制止,立入り,武器使用となる。…

※「行政代執行法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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