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直接強制 ちょくせつきょうせい

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

直接強制
ちょくせつきょうせい

(1) 民事執行法上の強制履行の一種であり,代替執行間接強制に対する。執行機関の権力で債務者の意思に関係なく債務 (私法上の給付義務) の内容を直接的に実現する方法である。執行方法としては最も効果的であり,債務者に積極的な協力をさせる必要がないため,執行方法の中心的なものとされており,金銭債権執行および動産,不動産引渡し,請求権の執行に用いられている。

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デジタル大辞泉の解説

ちょくせつ‐きょうせい〔‐キヤウセイ〕【直接強制】

民事執行法上、執行機関債務者の意思とは関係なく、直接に債務の内容を実現すること。→間接強制代替執行
行政法上、義務の不履行がある場合、直接に義務者の身体または財産に実力を加え、義務の履行があったのと同一の状態を実現すること。検疫法による感染症患者の隔離・停留など、特別法によって例外的に認められる。

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百科事典マイペディアの解説

直接強制【ちょくせつきょうせい】

強制執行の一方法。債務者の意思にかかわらず執行機関の力で強制的に給付請求権の内容を実現するもの(民法414条,民事執行法43条以下)。金銭債権の執行で,債務者の財産を差し押えて競売し,その代金を債権者に渡したり,物の引渡請求の執行で,債務者から目的物を取り上げて債権者に引き渡したりする場合など。
→関連項目間接強制金銭執行

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世界大百科事典 第2版の解説

ちょくせつきょうせい【直接強制】

(1)民事執行において,執行機関が債務者の財産に対して実力を行使し,直接に請求権内容を実現する強制執行をいい,代替執行間接強制と区別する。直接強制は,請求権実現の手段として最も効果的であり,債務者の身体や意思に圧迫を加えない点で人格尊重の理念に適合するから,近代における執行手続の原則的方法とされ,現行法上,金銭債権の執行(民事執行法43~167条),不動産,人の居住する船舶等の引渡し・明渡しの執行(168条),動産引渡しの執行(169条)が直接強制によって行われる

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大辞林 第三版の解説

ちょくせつきょうせい【直接強制】

強制履行の一方法。執行機関が直接的に債務の内容を実現すること。
行政法上の義務の不履行がある場合、義務者の身体・財産に実力を加えて義務が履行されたのと同じ状態にすること。特別法に基づく場合にのみ認められる。 → 間接強制代替執行

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

直接強制
ちょくせつきょうせい

民事執行法上

強制履行の執行方法の一つで、債務者の意思とは関係なく執行機関が債務者の財産に直接権力を加えて、給付内容の実現を図るもの(民法414条1項)。たとえば、金銭債権について、債務者の財産を換価し、これを債権者に与えたり、あるいは、動産・不動産の引渡しまたは明渡しを目的とする債権について、債務者の占有を解いて債権者の占有に移すなどである。直接強制による執行方法においては、国家権力が直接的に発動されるが、その反面として債務者が執行に積極的に協力することが要求されないので、債務者の身体や意思が圧迫されることが少なく、人格尊重を理想として人的執行を排除した近代法の精神にかなった方法といえる。現行法も、金銭債権の執行(民事執行法43条以下)、不動産または人の居住する船舶の引渡しまたは明渡しを求める債権の執行(同法168条)、特定の動産の引渡しを求める債権の執行(同法169条)、第三者の手中に存する目的物の引渡しを求める債権の執行(同法170条)は、この原則的な直接強制の方法によっている。
 執行方法からみた強制履行の分類として、直接強制、代替執行、間接強制の3種がある。この3種の相互関係は、まず直接強制が原則的執行方法であり、直接強制ができない代替的作為不作為義務の執行の場合には、代替執行(民法414条2項、民事執行法171条)により、さらに代替執行も不可能な不代替的作為不作為義務執行の場合に初めて間接強制(民事執行法172条)が許されるとするのが通説である。[内田武吉]

行政法上

行政機関が直接的・物理的方法で義務者の身体・財産に実力を加え、義務に適合した状態を実現するための行政強制手段。第二次世界大戦前の旧行政執行法ではこれを一般的に認めていたので、たとえば営業停止命令違反の営業所を実力で閉鎖することなどが認められていた。しかし、この制度はあまりに包括的で、人権侵害を招くので、戦後は一般的に廃止され、例外的に、検疫法による患者などの隔離・停留(経過観察のために一定期間隔離すること)の例がみられるにすぎない。[阿部泰隆]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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世界大百科事典内の直接強制の言及

【強制執行】より

…(2)非金銭執行は,以上に比較すると,実現されるべき請求権が種々であるだけに,執行の方法にも特色がある。物の引渡執行では,執行官が強制的に占有を移転させることが可能であるが(168条,169条),作為義務の執行では,債務者の人身の自由という視点から,直接強制は不適当とされる。そこで,代替性のある作為義務については,代替執行の方法がとられるし,非代替義務の場合には,債務者に金銭の支払いを命じることによって間接的に履行を強制するという,間接強制の方法が適している。…

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