行軍将棋(読み)コウグンショウギ

デジタル大辞泉 「行軍将棋」の意味・読み・例文・類語

こうぐん‐しょうぎ〔カウグンシヤウギ〕【行軍将棋】

将棋の一。軍隊階級兵種などに分けた駒を敵・味方に配し、早く敵の軍旗の駒を取ったほうを勝ちとする。軍人将棋。いくさ将棋。

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精選版 日本国語大辞典 「行軍将棋」の意味・読み・例文・類語

こうぐん‐しょうぎカウグンシャウギ【行軍将棋】

  1. 〘 名詞 〙 子どもの遊ぶ将棋の一種大将工兵地雷間者など、それぞれの働きに応じて強さを決めた駒を伏せて動かし、相手の駒とぶつかると第三者が判定して負けた方の駒を除く。早く相手の軍旗の駒を取った方を勝とする。軍人将棋。
    1. [初出の実例]「行軍将棊でもな、間者は豪(えら)いぜ」(出典日本橋(1914)〈泉鏡花〉三)

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改訂新版 世界大百科事典 「行軍将棋」の意味・わかりやすい解説

行軍将棋 (こうぐんしょうぎ)

小将棋(詰将棋)を基に創作された将棋遊び。軍人将棋ともいう。芥川竜之介の《少年》には行軍将棋とある。日清,日露の両戦争に影響をうけ考案された。陸軍の組織を模して創作されているが,内容構成,駒数,盤目の取り方は,時代や製作元により多少異なる。初期は,歩兵騎兵・工兵・砲兵大砲)・間者に,少尉から大将(元帥)までの階級・軍旗などの駒で構成されていた。その後間者はスパイと改名され,戦車(タンク)・地雷などが新たに登場。さらに毒ガス・飛行機が加わり,第2次大戦後は原爆・水爆・ミサイル・ジェット機などが次々と登場した。軍旗(大将・元帥)の駒だけ表にして定位置に置くが,他の駒はすべて裏返しにして任意に配列。交互に駒を進め両者の駒が遭遇したとき,裏返しのまま判定者が見て,各駒間の強弱の決めにしたがい勝ち駒を残す。取った駒は再使用できない。敵陣に駒を進め,早く軍旗を奪取した者が勝者となる。大正後期から昭和前期にかけて流行した。
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