インド半島の西岸を、北はタプティ川河口から南はコモリン岬まで1600キロメートルにわたって連なる山脈。インド地塊の西縁をなし、西斜面が急崖(きゅうがい)をなす一方、東斜面は概して緩やかで、デカン高原を東流するゴダバリ、クリシュナ、カーベリなどの大河川の源流地域をなす。平均して900~1500メートルの標高であるが、南部にドダ・ベッタ山(2636メートル)、アナイムディ山(2695メートル)などの高所がある。夏の南西季節風の影響により、山地部の雨量は年4000ミリメートル以上に及ぶ所もあるが、風下側のデカン高原では年1000ミリメートル以下となり、干魃(かんばつ)に悩む。西斜面の熱帯林からはチークやサンダルウッドなどが切り出され、所によってはゴム、コショウなどが栽培される。近年は山地の豊富な雨水を利用するいくつかの大貯水池がつくられ、デカン高原の灌漑(かんがい)に役だっている。
[貞方 昇]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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