西尾実(読み)ニシオミノル

デジタル大辞泉 「西尾実」の意味・読み・例文・類語

にしお‐みのる〔にしを‐〕【西尾実】

[1889~1979]国文学者・国語教育学者。長野の生まれ。国立国語研究所初代所長。中世文学研究ほか、国語教育にも貢献した。著「中世的なものとその展開」など。

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精選版 日本国語大辞典 「西尾実」の意味・読み・例文・類語

にしお‐みのる【西尾実】

  1. 国文学者、国語教育学者。長野県出身。東大国文科卒。専攻は中世国文学で「徒然草」や世阿彌などの文芸性を追究、一方日本語や国語教育についても造詣深く、国立国語研究所の初代所長として活躍。著に「国語国文の教育」「中世的なものとその展開」など。明治二二~昭和五四年(一八八九‐一九七九

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20世紀日本人名事典 「西尾実」の解説

西尾 実
ニシオ ミノル

大正・昭和期の国文学者,国語教育家 元・国立国語研究所所長;法政大学名誉教授



生年
明治22(1889)年5月14日

没年
昭和54(1979)年4月16日

出生地
長野県下伊那郡豊村

学歴〔年〕
東京帝国大学文学部国文科選科〔大正4年〕卒

学位〔年〕
文学博士〔昭和35年〕

主な受賞名〔年〕
勲三等瑞宝章〔昭和40年〕

経歴
大正7年松本女子師範教諭、10年「信濃教育」編集長を経て、14年上京。成蹊高女、東京市立二中(現・上野高校)、東京女子大の教職歴任し、戦後の昭和24年国立国語研究所の初代所長に就任。法政大学教授を兼任。「岩波国語辞典」の編集者としても知られ、全日本国語教育学会会長も務めた。日本中世文学の研究でも知られ、「日本文芸史における中世的なもの」「道元世阿弥」のほか、「西尾実国語教育全集」(全10巻)などの著書がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「西尾実」の意味・わかりやすい解説

西尾実 (にしおみのる)
生没年:1889-1979(明治22-昭和54)

国文学者,国語教育者。長野県下伊那郡阿南町出身。西尾弁弥の次男。長野師範を経て1915年東京大学国文科選科を修了。東京女子大,法政大学教授等を歴任。49年国立国語研究所初代所長に就任,研究所の整備に尽力した。国語教育,日本人の言語生活に関する研究,中世文学を中心とする日本文学研究の3領域に多大の貢献をなした。国語教育の著書に,《国語国文の教育》《国語教育学の構想》などが,言語生活に関しては《言語生活の探究》ほかがあり,《西尾実国語教育全集》10巻(1974-76)にまとめられている。中世文学関係では,《日本文芸史における中世的なもの》《作品研究つれづれ草》《世阿弥の能芸論》ほかがある。
執筆者:

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「西尾実」の意味・わかりやすい解説

西尾実
にしおみのる
(1889―1979)

国文学者、国語教育学者。長野県豊(ゆたか)村(現、阿南(あなん)町)に生まれる。長野師範学校(信州大学の前身校の一つ)卒業後、東京帝国大学国文学科選科修了。中等学校教諭を経て、東京女子大学、法政大学教授、国立国語研究所初代所長などを務めた。国文学では、とくに中世の『徒然草(つれづれぐさ)』、世阿弥(ぜあみ)、道元の著作を研究し、『中世的なものとその展開』(1961)、『世阿弥の能芸論』(1974)などの著作がある。また国語教育では、「読み」の構造とその教育を論じた『国語国文の教育』(1929)のほか、『言葉とその文化』(1947)、『国語教育学の構想』(1951)などの著作がある。

[古田東朔 2018年10月19日]

『『西尾実国語教育全集』10巻・別巻2(1974~1978・教育出版)』『『西尾実書簡集』(1985・下伊那教育会)』『長野県国語教育学会編『西尾実研究』(1983・教育出版)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「西尾実」の意味・わかりやすい解説

西尾実
にしおみのる

[生]1889.5.14. 長野
[没]1979.4.16. 東京
国文学者,国語教育学者。 1915年東京帝国大学国文科選科修了。東京女子大学,法政大学教授,および国立国語研究所初代所長を歴任。第2次世界大戦後,研究者や能楽師の集り「能楽ルネッサンスの会」における世阿弥伝書を読む会で指導的役割を果した。中世文学関係の著書に『中世的なものとその展開』 (1961) ,校注『歌論集 能楽論集』 (61) ,『世阿弥の能芸論』 (74) がある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「西尾実」の解説

西尾実 にしお-みのる

1889-1979 大正-昭和時代の国文学者,国語教育家。
明治22年5月14日生まれ。東京女子大,法大の教授を歴任。昭和24年国立国語研究所初代所長。「徒然草(つれづれぐさ)」,世阿弥(ぜあみ),道元(どうげん)の研究で知られ,また国語辞典,教科書の編集にもあたった。昭和54年4月16日死去。89歳。長野県出身。東京帝大卒。著作に「日本文芸史における中世的なもの」「言語生活の探求」など。

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367日誕生日大事典 「西尾実」の解説

西尾 実 (にしお みのる)

生年月日:1889年5月14日
大正時代;昭和時代の日本文学者;国語教育家。国立国語研究所所長;法政大学教授
1979年没

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