西目屋(読み)にしめや

日本大百科全書(ニッポニカ) 「西目屋」の意味・わかりやすい解説

西目屋(村)
にしめや

青森県南西部中津軽郡の村。北部岩木山麓(さんろく)、南部は白神山地(しらかみさんち)で、村の中央を岩木川が東流する。村域の大部分は山地、その85%が国有林である。薪炭の供給地であったが、いまはリンゴ栽培が盛ん。岩木川上流津軽ダム治水灌漑(かんがい)・電力供給用で、人造湖の津軽白神湖とさらに上流の暗門(あんもん)の滝までは目屋渓谷とよばれ、津軽白神県立自然公園域。南部の尾太(おっぷ)岳の山麓には開発の古い尾太鉱山があったが、1978年(昭和53)閉山した。面積246.02平方キロメートル、人口1265(2020)。

横山 弘]


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改訂新版 世界大百科事典 「西目屋」の意味・わかりやすい解説

西目屋[村] (にしめや)

青森県南西部,中津軽郡の村。人口1594(2010)。岩木川最上流域を占め,南部は秋田県境をなす白神山地からなり,村域の大半が山林である。弘前市に編入された旧東目屋村とともに古くから目屋と呼ばれ,近世中ごろからタバコの産地として知られた。薪炭の供給地でもあったが,現在は稲作とリンゴ栽培が中心。尾太(おつぷ)鉱山は明和年間(1764-72)に最盛期を迎えたが,明治以降は休山を繰り返した。第2次大戦後再開発され,銅,亜鉛,鉛などの鉱山として活況を呈したが,1978年閉山した。1960年津軽平野の灌漑,洪水調節,発電を目的とした目屋ダムが完成して美山(みやま)湖が生まれ,中心集落の村市近くに岩木川第1発電所が建設された。岩木川上流は目屋渓谷と呼ばれる景勝地で,暗門ノ滝がある。
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百科事典マイペディア 「西目屋」の意味・わかりやすい解説

西目屋[村]【にしめや】

青森県南西部,中津軽郡の村。岩木山の南麓にあたり,岩木川の源流域を占め,南には白神山地があり秋田県との境をなす。農林業が主産業であるが,1993年に白神山地が世界自然遺産に指定されたのを機に,その玄関口として訪問客が増加しており,観光業の伸びも期待されている。中央部の目屋ダム・美山湖は1960年に完成,現在はそのすぐ下流により大規模な津軽ダムを整備中。西部にある〈アクアグリーンビレッジANMON〉は,世界自然遺産の緩衝地域に位置する暗門の滝や,津軽峠近くのブナ巨木〈マザーツリー〉などをめぐる散策路の核となる総合拠点施設。246.02km2。1594人(2010)。

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