西郷(読み)さいごう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

西郷(島根県)
さいごう

島根県北部、隠岐(おきぐん)にあった旧町名(西郷町(ちょう))。現在は隠岐の島町の中部を占める地区。旧西郷町は1904年(明治37)町制施行。1954年(昭和29)中条(なかすじ)、東郷、磯の3村と合併、1960年中村を編入。2004年(平成16)布施(ふせ)、五箇(ごか)、都万(つま)の3村と合併、隠岐の島町となる。旧西郷町は隠岐諸島島後(どうご)のほぼ東半分を占め、国道485号が通じる。名称は、近世矢尾村西郷に松江藩陣屋を置いたことに由来する。北部と東部の山地は急峻(きゅうしゅん)で、南部は矢尾川の沖積地が開ける。天然の良港西郷港からは本土の境港(さかいみなと)、七類(しちるい)港や島前(どうぜん)の諸港へ定期航路があり、隠岐空港からは大阪、出雲(いずも)空港へ定期便がある。古くから黒曜石を産し、それを用いた石器が山陰海岸諸地域で発見されている。古くは遠流(おんる)の地で、小野篁(おののたかむら)や後醍醐(ごだいご)天皇もこの地に配流された。行宮(あんぐう)所跡の隠岐国分寺境内(国史跡)のほか玉若酢命(たまわかすのみこと)神社などの史跡が多い。国分寺で4月に行われる蓮華会舞は国の重要無形民俗文化財。海岸一帯は大山(だいせん)隠岐国立公園の一部で、白島海岸や海苔田ノ鼻(のりたのはな)は国指定名勝・天然記念物。かつては広く牧畑が行われた。沖合いはイカなどの好漁場。[江村幹雄]
『『西郷町誌』上下(1976・西郷町)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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