デジタル大辞泉 「許り」の意味・読み・例文・類語
ばかり【許り】[副助]
1 範囲を限定する意を表す。…だけ。…のみ。「あとは清書する
「いそのかみ古き都のほととぎす声―こそ昔なりけれ」〈古今・夏〉
2 おおよその程度・分量を表す。…ほど。…くらい。「まだ半分
「三寸―なる人」〈竹取〉
3 (「…たばかりに」の形で接続助詞的に用いて)それだけの原因での意を語調を強めて表す。…ために。「動揺した
4 (動詞の連体形または助動詞「ぬ(ん)」を受けて)ある動作が今にも行われようとする状態を表す。「いつでも出発できる
5 (「…たばかり」の形で)動作が完了してまもない状態にある意を表す。「銀行から引き出した
6 (「…とばかり」「…とばかりに」の形で)強調の意を表す。「ここぞと
[補説]動詞「はか(計)る」の連用形が名詞化した「はかり」から転じたもので、2が本来の用法とされる。中古では1・2とも、用言の終止形にも付いた。1は中古以降の用法で、中世以降は2は衰え、「ほど」がそれに代わり、1は「のみ」よりも優勢になった。近世以降は、限定に「だけ」「きり」が加わるようになる。なお、「ばかり」はくだけた話し言葉では、「ばっかり」「ばっかし」「ばかし」という形も使われ、また、「っぱかり」の形になることもある。
[類語]ざっと・およそ・かれこれ・約・ほぼ・程度・くらい・ほど・