凡そ(読み)オヨソ

デジタル大辞泉 「凡そ」の意味・読み・例文・類語

およそ【▽凡そ】

《「おおよそ」の音変化》
[名・形動]
1 物事のだいたいのところ。大要。あらまし。「計画の凡そは承知している」「凡その見積もりを立てる」
2 いいかげんなさま。ぞんざいなさま。
「かやうに大事の謡ひを―にしては叶かなふまじい」〈虎明狂・二千石〉
[副]
1 大まかに言って。だいたい。約。「凡そ二キロ離れている」「被害は凡そどのくらいか」
2 そもそも。総じて。一般に。話を切りだすときに用いる。「凡そ日本人は働きすぎるきらいがある」
3 (否定的な表現を伴って用いる)全く。全然。「これは凡そおもしろくない本だ」
[類語](1)おおよそ・あらまし・概略・大略・大約・大要・大体・一通り・一応・一般・全般に・総じて・概して・多く・おしなべて・おおむね・大概・普通・通例・通常・一体に・総体・広く・遍あまねく・広い・幅広い・手広い・広範・広範囲・多方面・多角・多面・多岐・さまざま・各種・種種・諸種・いろいろ・多様・多様化・多面的・多種・多種多様・多彩・数数・いろんな・とりどり・色とりどり・諸もろもろ・百般・万般・諸般・多元・多元的・多角的・横断的・複眼的・全面的・挙げて・こぞって・大方・大抵・粗粗あらあら・粗らか・ざっと・あらかた・大ざっぱ・おおまか・粗い・粗っぽい・粗削り・粗放・粗略・粗雑・粗笨そほん・雑・雑駁ざっぱく・大つかみ・丼勘定・ラフ・ほとんど・大部分・大半・大多数・絶対多数・九分通り・十中八九・九分九厘・多数・数多・無数・あまた・通じて・ほぼ・雑多・万よろず・各人各様・十人十色・千差万別・マルチ・事事物物・種種雑多・各様・種種くさぐさ・玉石混淆こんこう・凡百ぼんぴゃく・百態・百事・百千・万端・各般・数次・幾度・等等・諸相・諸物・山ほど・ざら・あれこれ・何やかや・何だかんだ・何のかの・何くれ・何くれとなく・あれやこれや・ごちゃごちゃ・枚挙に遑いとまがない・十指に余る・あの手この手・エトセトラ・たんまり・しこたま・たくさん・多い・多量・大量・大勢おおぜい・夥おびただしい・いっぱい・多多・いくらも・いくらでも・ごろごろ・どっさり・たっぷり・十二分に・豊富に・ふんだんに・腐るほど・ごまんと・わんさと・うんと・たんと・仰山ぎょうさん・なみなみ・十分・しっかり・がっつり・大挙・多勢・多人数・大人数・衆人・莫大・膨大・巨万・豊か・潤沢・無尽蔵・盛り沢山・がっぽり・がっぽがっぽ・多め・幾多・過多・最多・多作・数知れない・数知れぬ・数え切れない・掃いて捨てるほど/(1)ほぼ・ざっと・大体・約・大約・大略・無慮むりょ・かれこれ・程度・くらい・ばかり・ほど・方かた・内外・見当・プラスマイナス

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精選版 日本国語大辞典 「凡そ」の意味・読み・例文・類語

およそ【凡・大約】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 「おおよそ」の変化した語 ) 判断の内容や物事の量の、正確ではないがそれに近いところ。おおまかなところ。あらかた。ほとんど全部。
    1. [初出の実例]「凡(ヲヨソ)(高良本ルビ)は九国の惣追捕使にもなされ」(出典:平家物語(13C前)一一)
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙
    1. ① 数量の、正確ではないがそれに近いところ。ほぼ。だいたい。あらまし。
      1. [初出の実例]「勧進の桟敷数、をよそ六十二三間也」(出典:申楽談儀(1430)勧進の舞台翁の事)
    2. ② 精密さを捨てて、話を一般論にするときにいうことば。総じて。いったい。そもそも。
      1. [初出の実例]「およそこの地獄のくげん、絵にかきたとへをとるにも、百千万のなかに一ぶんにもおよぶべからず」(出典:九冊本宝物集(1179頃)二)
    3. ③ 打消の語または否定的な内容をもつ語を伴って、全面的な否定感情を示すのに用いる。まったく。まずもって。
      1. [初出の実例]「さうだけれど。およそ傍で見て居てきの毒なのは瀛(えい)公だぜ」(出典:滑稽本・浮世床(1813‐23)初)
      2. 「そのおよそ何でもない対話にすっかり感心して」(出典:竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎〉竹沢先生の花見)
  3. [ 3 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙
    1. ① 物事を正確に、慎重に扱わないさま。いいかげんだ。おろそかだ。ぞんざい。
      1. [初出の実例]「人の名をば不言して官名ばかり挙たはをよそなぞ」(出典:史記抄(1477)四)
    2. ② 知能が不完全であるさま。あほう。
      1. [初出の実例]「殿様はおよそな程に〈略〉と仰せられた。およそなと申すは阿呆のから名でござります」(出典:歌舞伎・一心二河白道(1698)一)

凡その語誌

( 1 )「おおよそ」は中古から認められるが、「およそ」が見られるのは中世後期からである。近世期の軽口本・小咄本では「およそ」のみであり、口語では既に「およそ」が一般化していたと思われる。
( 2 )[ 一 ]の用法は、近世期には少なく、[ 二 ]の用法が多くなる。また、[ 三 ]の用法は、「おおよそ[ 一 ]③」から転じたものか。


おお‐よそおほ‥【凡・大凡】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. ① 大きく一つにまとめられた全体。個々の小異を問題にせず、一まとめに把握するさま。すべて。副詞的にも用いる。
      1. [初出の実例]「此の大地に凡(オホヨソ)有らるる所須の百千の事業」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)八)
    2. ② ( 形動 ) 細部にこだわらずおおまかなところを把握すること。また、そのさま。あらまし。ほぼ。大体。副詞的にも用いる。
      1. [初出の実例]「おほよそ、むくさにわかれん事は、えあるまじき事になん」(出典:古今和歌集(905‐914)仮名序)
      2. 「母は宿の主人に身の上のおほよそを、微かな燈火の下で話した」(出典:山椒大夫(1915)〈森鴎外〉)
    3. ③ ( 形動 ) 物事の程度や質が、なみひととおりであること。また、そのさま。普通。
      1. [初出の実例]「ひととせはいたくおほよそにこそ面白しと見え給しか」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上上)
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙
    1. ① 大局からの判断、主張であることを示す。総じて。一般に。だいたい。
      1. [初出の実例]「おほよそ子うみ給へりともなくて、とかくうちして世を経たまはんに」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
      2. 「凡(おほよソ)此の章家が心ばへは、人とも不思(おぼ)えぬ事共なむ多かりける」(出典:今昔物語集(1120頃か)二九)
    2. ② どう見ても間違いない判断・性質であることを示す。否定表現、否定的な語句を導くことが多い。まったく。どう見ても。
      1. [初出の実例]「汝法を聞むが為に来れり。〈略〉凡(おほよソ)此の功徳无量(はかりな)し」(出典:今昔物語集(1120頃か)三)

凡その語誌

→「およそ(凡)」の語誌

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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