約(読み)ヤク

デジタル大辞泉 「約」の意味・読み・例文・類語

やく【約】

[名]
1 約束。取り決め。「約を交わす」「約を守る」
2 短く簡単にすること。また、そのもの。「長大な文章の約」
3 「約音」に同じ。
[副]数量を大まかに数えるさま。おおよそ。だいたい。「約一週間」「約一〇万円」
[類語](1)協定・約束・条約・約定・契約・協約・結約・盟約・誓約・確約・保証・公約・口約・取り決め・申し合わせ・契り・誓い・固め・指切り・げんまん・約する・取り決める・取り結ぶ・決める・申し合わせる・契る・誓う・言い合わせる・言い交わす・口固め・口約束・盟・内約・密約・成約・黙約・先約・予約・血盟・売約・特約・起請・クレジット・リザーブ/(2)約つづまる・約つづめる・約する・省く・省略・略・省力・要約・はしょる・略する・前略・中略・後略・大略・手抜き・割愛・飛ばす・抜く・端的・要するに・要略・手短・簡約・簡略・削る・削除・除く・差し引く・縮める・ダイジェスト・短い・短め・短小・寸足らず・寸詰まり・最短・ちんちくりん・つんつるてん・ショート・三寸・詰める・切り詰める・短縮・縮小・縮約・圧縮・間引く・上略・下略/()約定・かれこれ・ざっと・凡そ・ほぼ・程度・くらい・ばかり・ほど・方かた・内外・見当・プラスマイナス・大ざっぱ・大づかみ・粗っぽい・アバウト・大方・粗方あらかた・あらまし・おおよそ・ほぼ・たいがい・だいたい・たいてい・おおむね・概して・一概に・総体・おしなべて・総じて・なべて・大約・大略・足かけ・胸算用・懐勘定・見積もり・目算・推算・ざっくり・概要・九分九厘・粗い・粗っぽい・粗削り・粗放・粗略・粗雑・粗笨そほん・雑・おおまか・丼どんぶり勘定・ラフ・粗らか・概略・大要・大体・一体・大筋・梗概・大部分・目分量

やく【約】[漢字項目]

[音]ヤク(呉)(漢) [訓]つづめる つづまやか
[学習漢字]4年
1 ひもで結ぶ。締めくくる。「制約・括約筋」
2 ひもで結び目を作り、取り決めの目印とする。広く、約束のこと。「約束・約諾/違約・解約・規約・契約・公約・口約・婚約・条約・誓約・先約・締約・売約・密約・予約」
3 短く縮める。かいつまむ。つづめる。「約音・約言/簡約・集約・要約」
4 むだを捨て、全体を引き締める。つづまやか。「倹約・節約」
5 あらまし。大体。「大約」
6 共通の数で割る。「約分/公約数」
[名のり]なり

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「約」の意味・読み・例文・類語

やく【約】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. ① 約束すること。ちかうこと。契り。契約。
      1. [初出の実例]「約を受て違へむ事の極て怖ろしければ也」(出典:今昔物語集(1120頃か)五)
      2. [その他の文献]〔史記‐項羽本紀〕
    2. ② ひかえめであること。簡約。節約。
      1. [初出の実例]「知二其要一者、言(げん)必約」(出典:童子問(1707)中)
      2. [その他の文献]〔史記‐屈原伝〕
    3. ③ 貧窮。困窮。
    4. ④ 短く簡単にすること。省略。また、省略されたもの。
      1. [初出の実例]「旅宿の雑談をもって峯次郎旅行の前文の約に備るは」(出典:人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)三)
    5. ⑤ わりざん。除法。除。〔算法新書(1830)〕
    6. ⑥ =やくおん(約音)
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 おおざっぱに目で数えたさまを表わす語。おおよそ。だいたい。あらまし。大約。
    1. [初出の実例]「板の高さは地面を去る約一メートルだから」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉七)

つづまり【約】

  1. [ 1 ] 集約し、または、まとめられた結果。終結。
    1. [初出の実例]「帳尻の約(ツヅマ)り合ぬにて知りぬべし」(出典:寄笑新聞(1875)〈梅亭金鵞〉八号)
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 つまるところ。結局。
    1. [初出の実例]「物の理窟いふものは、教育があらうと無からうとつづまり同じ事やろと思ふとりまんね」(出典:大阪の宿(1925‐26)〈水上滝太郎〉四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「約」の読み・字形・画数・意味

約
常用漢字 9画

(旧字)
9画

[字音] ヤク・ヨウ(エウ)
[字訓] むすぶ・わりふ・おおよそ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(勺)(しやく)。に(やく)の声がある。はものをかがませている形。〔説文〕十三上に「纏束(てんそく)するなり」とあり、約束とは、もと、ものを纏束することをいう。縄などを結んで、ことを約する証とするので、契約の意となる。契はわりふ、また約剤の劑(剤)は、方鼎を示す齊(斉)に、刀で銘刻して証とするもので、特に重要な盟約に用いた。

[訓義]
1. むすぶ、たばねる、つかねる、しばる。
2. むすびめ、ちかい、約束、わりふ。
3. ちぢめる、つづまやか、はぶく。
4. すくない、よわい、おとろえる、なやむ。
5. いやしい、けち。
6. おおよそ、ほぼ。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕約 ツラヌ・マダラナリ・ツツム・ツツマル・キハム・チギル・セバシ・セバセバシ・ユヒツク・ナハ・ノゾク・マツハル・モトホル・マツ・ウスシ・ヨシ・アヤノフミ・ツラヌ・スクナシ・カギル・セム・チキル・ツク・トホシ・ヨソヘル・ツヅマヤカニ・ユハフ・コムチ 〔字鏡集〕約 ツヅマヤカニ・コムチ・ヨソヘル・ノゾク・ツツム・マダラナリ・モトホル・ユヒツク・メグラス・カナフ・タカシ・マツフ・オイテ・カギル・ウスシ・ユハフ・トホシ・サダム・スクナシ・チギル・ウトシ・ヨル・アヤノフミ・オホムネ・セバ(シ)・ナハ・セム・マツハル・キハム・ツラヌ・セバセバシ・スコシキ・マツ・ツラ

[声系]
〔説文〕五上に声としてを収める。は「小籟(せうらい)なり」とあり、籟は三孔の龠(やく)(ふえ)、籥(やく)の異文であろう。龠はその象形字である。

[熟語]
約音▶・約款▶・約簡▶・約期▶・約義▶・約契▶・約結▶・約倹▶・約言▶・約黄▶・約婚▶・約剤▶・約指▶・約辞▶・約取▶・約食▶・約身▶・約信▶・約制▶・約省▶・約誓▶・約説▶・約素▶・約束▶・約損▶・約定▶・約▶・約法▶・約盟▶・約略▶・約礼▶
[下接語]
依約・違約・陰約・隠約・婉約・括約・簡約・規約・期約・旧約・許約・協約・勤約・軍約・契約・倹約・検約・公約・困約・婚約・私約・指約・綽約・守約・集約・準約・処約・従約・条約・信約・尋約・成約・省約・清約・誓約・先約・前約・大約・定約・締約・纏約・約・特約・破約・背約・倍約・繁約・貧約・負約・変約・密約・明約・盟約・与約・予約・要約・廉約・和約

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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