高裁の決定などについて最高裁に不服を申し立てる手続きの一つ。最高裁の判例に反する場合や、法令解釈の上で重要な事項を含む場合、高裁に許可を申し立て、認められると最高裁に抗告できる。民事訴訟法に規定されている。最高裁への抗告はこれとは別に、憲法違反を理由として不服を申し立てる特別抗告がある。
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民事訴訟における高等裁判所の決定および命令に対して、その高等裁判所が許可をしたときに限り認められる抗告。1998年(平成10)1月に施行された新民事訴訟法において創設された。最高裁判所に対する抗告としては、裁判に憲法解釈の誤り、その他憲法違反を理由とするときに限り特別抗告が認められている(民事訴訟法336条)。それ以外の理由では最高裁判所に抗告できないのが原則である。しかし、決定・命令により判断される事項で憲法違反等に関するものでないもののなかにも重要なものがあり、法律判断が各高等裁判所によって異なるということでは公正を欠き、法令解釈の統一が必要とされるという面もある。このため、高等裁判所の決定および命令に対して、最高裁判所等の判例と相反する判断がある場合や、その他法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合には、その高等裁判所が、申立てにより、決定で、最高裁判所への抗告を許可しなければならないとした(同法337条)。この許可の決定があったときに抗告がなされたとみなされる。特別抗告以外には、この許可があったときに限り最高裁判所への抗告が認められる。たとえば、民事執行・保全執行手続に関する決定について、あるいはある文書の提出義務の存否(同法220条)に関する決定について、最高裁判所の判断を求めるなどの場合が考えられる。許可抗告の申立ては高等裁判所の原裁判の告知を受けた日から5日の不変期間内にしなければならない。
[本間義信]
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