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許可抗告 キョカコウコク

百科事典マイペディアの解説

許可抗告【きょかこうこく】

民事事件における高等裁判所決定命令について,最高裁判所の判例と相反する判断がある場合や,その他の法令の解釈に関する重要な事項を含む場合,当該高等裁判所が許可し,最高裁判所への抗告を認めるという制度。従来は,特別抗告の場合を除き,最高裁判所への抗告は認められず,そのため決定・命令に関する判例が統一されていないという問題があった。1996年制定の新民事訴訟法によって創設された(同法337条)。
→関連項目最高裁判所民事訴訟法

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世界大百科事典 第2版の解説

きょかこうこく【許可抗告】

新民事訴訟法(1996公布,98施行)において創設された抗告制度(民事訴訟法337条)。裁判の中,決定または命令に対する上訴は,抗告といわれ,最高裁判所に対しては,訴訟法がとくに定めた抗告以外は,抗告はできないとされている(裁判所法7条)。そして従来,民事訴訟法では,最高裁判所への抗告として,憲法違反があることを理由とする特別抗告のみを認めていた。その結果,憲法以外の法令の解釈に関する重要な事項について,各高等裁判所間で異なった解釈がとられ,これらを統一する機会がなく,法的安定性を欠くという問題があった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

許可抗告
きょかこうこく

民事訴訟における高等裁判所の決定および命令に対して、その高等裁判所が許可をしたときに限り認められる抗告。1998年(平成10)1月に施行された新民事訴訟法において創設された。最高裁判所に対する抗告としては、裁判に憲法解釈の誤り、その他憲法違反を理由とするときに限り特別抗告が認められている(民事訴訟法336条)。それ以外の理由では最高裁判所に抗告できないのが原則である。しかし、決定・命令により判断される事項で憲法違反等に関するものでないもののなかにも重要なものがあり、法律判断が各高等裁判所によって異なるということでは公正を欠き、法令解釈の統一が必要とされるという面もある。このため、高等裁判所の決定および命令に対して、最高裁判所等の判例と相反する判断がある場合や、その他法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合には、その高等裁判所が、申立てにより、決定で、最高裁判所への抗告を許可しなければならないとした(同法337条)。この許可の決定があったときに抗告がなされたとみなされる。特別抗告以外には、この許可があったときに限り最高裁判所への抗告が認められる。たとえば、民事執行・保全執行手続に関する決定について、あるいはある文書の提出義務の存否(同法220条)に関する決定について、最高裁判所の判断を求めるなどの場合が考えられる。許可抗告の申立ては高等裁判所の原裁判の告知を受けた日から5日の不変期間内にしなければならない。[本間義信]

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