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認知科学

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

認知科学

人間の知覚、記憶、思考などの知的機能のしくみを、心理学計算機科学などのさまざまな分野視点から研究する科学。1970年代に提唱された。

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知恵蔵の解説

認知科学

人間がその知的能力を用いていかにして世界を認知するのかを分析解明しようとする、学際的研究領域。工学、心理学、哲学など幅広い分野にまたがる。サル学の研究目的も、認知科学とほぼ一致する。コンピューターを用いて人間の知的機能を再現しようという研究方法も認知科学の一分野を形成しており、現代のロボット研究の源流の1つになっている。

(築地達郎 龍谷大学准教授 / 2007年)

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デジタル大辞泉の解説

にんち‐かがく〔‐クワガク〕【認知科学】

人間やその他の生物の認識機構を対象とする科学。神経科学人工知能・哲学・心理学・言語学など、多方面にかかわる総合的、学際的な科学。

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百科事典マイペディアの解説

認知科学【にんちかがく】

広い意味では,動物なかでも人間の脳と心のはたらきを分析し,その仕組みの解明を通して,人間や生物の理解を深める研究領域。心理学,言語学,情報科学コンピューター,生理学,神経科学,動物行動学,哲学,文化人類学など多様で学際的なアプローチがなされている。

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世界大百科事典 第2版の解説

にんちかがく【認知科学 cognitive science】

認知科学とは,脳と心のはたらきを情報科学の方法論に基づいて明らかにし,それを通して生物,特に人間の理解を深めようとする知的営みである。 したがって認知科学の対象は,脳や心のはたらきを学問の対象とする心理学,言語学,情報科学,計算機科学,神経科学,さらには教育学,文化人類学などと重なっている。これらの伝統的な分野においては,人間の脳や心のはたらきをある特定の側面から捉えているが,そうしたはたらきは,それぞれの側面を超えた総合的活動であり,脳と心のはたらきを解明することによって人間の理解を深めるには,もっと広い,しかし方法論としては伝統的分野を貫く統合性としっかりした論理性をもつ学問体系が必要である。

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大辞林 第三版の解説

にんちかがく【認知科学】

人間や生物およびコンピューター-システムの認知活動を対象にして、知識の獲得や表現、推論機構、学習、情報処理のメカニズムなどの研究をする学際的な科学。人工知能・計算機科学・心理学・言語学・神経科学など、広い分野とかかわり合いがある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

認知科学
にんちかがく
cognitive science

記憶や思考など人間の知的活動を解明,あるいはコンピュータ上にモデル化することを目指した学際的な研究分野。人間の知性に興味をもつ哲学,言語学,心理学,計算機科学,神経科学などをベースにして 1950年代から発展した。ちょうど並行したコンピュータの発展が非常に大きな影響を及ぼしている。従来は,人間を対象とした学問では「実験」に大きな困難が伴ってきたが,コンピュータ上でモデルを構築し,実験を行なうことが可能となり,いわゆる人工知能の研究の方法論と重なり合って発展してきた。心理学と工学の人工知能的手法との融合が,認知科学の柱を形成している。 1977年にアメリカ合衆国で"Cognitive Science"が発刊され,日本でも 1983年に日本認知科学会が発足した。また,認知科学の成果を,システム設計などの工学的な分野へ応用する分野を認知工学と呼ぶ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

認知科学
にんちかがく
cognitive science

認知心理学、人工知能(学)、言語学、認知神経科学、哲学などにまたがる学際的基礎科学。人間および、より一般的な意味での「知能・認識」の理解・解明を目ざす。その意味で認知心理学と同じ目的をもつといえるが、方法論、とくにその理論的側面においては、コンピュータ上へのモデル化を中心に、より高度な形式性を要求する特徴がある。
 1960年代から1970年代にかけて、アメリカの認知心理学では、認識された情報や体得された情報、すなわち広義の「知識」knowledgeが、心の内部でどのように処理され、「表象・表現」representされ、そして、利用されているのかという疑問が大きく取り上げられるようになってきた。この疑問の解明には、心の内部過程をブラックボックスとしたまま「刺激stimulus→反応response」の対応関係のみを把握しようとしてきた従来の行動主義的方法論では対処できず、内部知識の構造と働きを明確に説明できる動的なプロセス・モデル(コンピューテーショナル・モデル)の提案が望まれるようになった。この種のモデルの構築は、人間の知的能力の「代行や増強」を目的とするものではないが、コンピュータ上へ組み込むことが要求されるため、当初から人工知能(学)と強いつながりをもつことになった。また、当初、知識の内部表現についての基本的アイデアは、理論言語学における意味表示(表現)理論を参考にしたものが多かったため、認知科学と理論言語学との関わりも大きなものとなった。
 このような経緯のもとに認知心理学、人工知能(学)、理論言語学の3分野を中心とした学際的研究交流の気運が高まり、アメリカでは1977年に学術雑誌『認知科学』Cognitive Scienceが発刊され、1979年には学会も設立された。その後、20世紀を代表する新しい科学の一つとして世界的に広がり、日本でも1983年(昭和58)に日本認知科学会が設立された。その後、1990年代以降、fMRI(functional Magnetic Resonance Imaging:機能的磁気共鳴画像)、MEG(Magnetoencephalograph:脳磁図)、NIRS(Near-Infrared Spectroscopy:近赤外線分光分析)など脳活動の特徴を可視化する方法の進歩に伴い、人間の高次心理過程と中枢神経系との対応関係の解明を目ざす認知神経科学が急速に発展した。今日では、欧米の有力大学を中心に、それらの脳メカニズム研究をも取り込んだ形で「認知科学」を標榜(ひょうぼう)する研究・教育プログラムが数多く見受けられるようになっている。
 認知科学の成果としては、初期には、サイモンの流れをくむ一群の思考過程のモデル化研究、シャンクRoger C. Schank(1946― )を中心とした文章(テキスト)や会話の理解と生成の過程についての理論化など、記号的人工知能symbolic AIと連動した成果が代表的であった。その後1980年代に入り、マクレランドJames L. McClelland(1948― )とラメルハートDavid E. Rumelhart(1942―2011)の主導による並列分散処理の計算パラダイム(神経回路網モデル、コネクショニストモデル)による新しい認知モデル化研究が勃興(ぼっこう)し、知覚、記憶、学習、言語理解など各種の認知現象の理論的説明に大きく寄与した。
 今日の認知科学は、上述した認知神経科学をはじめ、より幅広く、文化人類学、教育学、そして、認識論、身体論、科学方法論などの哲学的考察までを含んだ学際的基礎科学として成立している。その今後としては、心と脳の「知」cognitionの側面に限らず、「情」emotion, affectionの側面の解明へも大きく広がって行くことが予想される。[阿部純一]
『ポール・サガード著、松原仁監訳『マインド――認知科学入門』(1999・共立出版) ▽西川泰夫・阿部純一・仲真紀子編著『認知科学の展開』(2008・放送大学教育振興会)』

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世界大百科事典内の認知科学の言及

【認知】より

…また,言語学では言語獲得の生得的側面,言語理解,言語使用の認知システムなどが研究されている。近年,これら関連領域の学際的協力も進められており,認知科学cognitive scienceの名で総称されることも多くなってきた。学習記憶知覚【酒井 英明】。…

※「認知科学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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