デジタル大辞泉
「護謨」の意味・読み・例文・類語
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ゴム【護謨】
- 〘 名詞 〙 ( [オランダ語] gom 「護謨」はあて字 )
- ① 植物ゴム質。植物から分泌される多糖類。ペントース、ヘキソース、ウロン酸等が主成分。アルコールには溶けず水に溶かすとコロイド溶液となるか、水を吸収して著しく膨張する点で樹脂とは異なる。アラビアゴム、トラガカントゴム、メスキットゴム、ガッチゴム、サクラゴム等があり、粘着剤、粘稠(ねんちゅう)剤、エマルジョン安定剤、繊維用糊剤、錠剤結合剤等に用いられる。
- ② 弾性ゴム。
- (イ) 天然ゴム。パラゴムノキ、マニホットゴムノキ、ゴムタンポポ、インドゴムノキ、アメリカゴムノキ等のゴム植物から採取される。弾性に富んだ鎖状高分子物質。炭水化物が主成分。樹皮から採取したままの乳液をラテックス、これを濃縮し酸で凝固させたものを生ゴム、これに硫黄を加え、ゴム分子が硫黄で架橋されたものを加硫ゴムという。〔植学啓原(1833)〕
- (ロ) 合成ゴム。ブタジエン、スチレン等、石炭・石油製品から化学合成によって造ったもの。
- (ハ) 再生ゴム。天然ゴム、合成ゴム等のくずゴム、ゴム製品の廃物等から再生したもの。
- ③ 「ゴムのき(━木)」の略。
- [初出の実例]「護謨(ゴム)を植ゑる為の地面を借り受けるのに」(出典:彼岸過迄(1912)〈夏目漱石〉風呂の後)
- ④ =けしゴム(消━)
- [初出の実例]「鉛筆の尻に着いて居る、護謨(ゴム)の頭で」(出典:坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉六)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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