谷地村(読み)やじむら

日本歴史地名大系 「谷地村」の解説

谷地村
やじむら

[現在地名]桑折町谷地

伊達崎だんざき村の北西に位置し、南は上郡かみごおり村・下郡村・桑折村。中央を佐久間さくま川が東流する。村西端を奥州道中が通り、追分おいわけで羽州街道が分岐し、塚が築かれていた。天文七年(一五三八)の段銭古帳に伊達西根だてにしねのうちとしてみえる「六丁の目」が地内佐久間川の北側の地域、「はんた 北さハ」が南側の地域に比定され、段銭はそれぞれ六貫二〇〇文・一一貫七七五文であった。同二二年の晴宗公采地下賜録によれば、浜田左馬助に「はんたきたさハの内」の総成敗権などが安堵されており、同氏の屋敷もあったとみられる。


谷地村
やじむら

[現在地名]石川町谷地

屋地とも記す。さめ川の支流で南流する組矢くみや川上流の平地と丘陵地に位置し、北の坂路さかじ村からの御斎所ごさいしよ街道が村内を抜け、南の白川郡仙石せんごく(現古殿町)に至る。西は南山形みなみやまがた村。地内には六基の板碑が所在する。「石川郡地史」に「字新屋敷ニ古館アリ石川氏ノ臣谷地兵庫守住居セシ所ナリ」と記されるが、現在地内に館跡は確認されていない。しかし、応永一二年(一四〇五)五月一四日の稲村公方足利満直感状(板橋文書)に「於谷地城、致忠節条、尤以神妙也」とあり、石川一族板橋掃部助の忠節が賞せられていることから、谷地城は石川庄内の当地にあったものと推測される。文禄三年(一五九四)の蒲生領高目録に屋地とみえ高一七八石余。


谷地村
やつじむら

[現在地名]土佐市谷地

甲原かんばら村の西方、甲原川の水源に位置する山村。「土佐州郡志」は「東限甲原、西限佐川永野村、南限戸波村鳥越山嶺、北限加茂村唐岩山、東西三十町南北十町」と記す。中世は佐川さかわ(大部分は現高岡郡佐川町)に属し、天正一七年(一五八九)の佐川郷谷地永野地検帳によれば谷地村の検地面積一七町一反余、うち田分一五町七反余、畠分二反余、屋敷二〇筆で一町二反余。すべて黒岩くろいわ(現佐川町)の城主であった片岡氏の所領。戸波へわ郷から甲原村四把穀しわこく坂を越えて当村に至り佐川郷へ抜ける道があった。地検帳には「アカハケ道懸テ」「アカハケノ同し大道」がみえる。この道によって戸波郷は政治・経済的に佐川郷と結び付いていたと考えられ、康永元年(一三四二)津野つの新庄岡本おかもと(現須崎市)攻撃には、戸波の名主層は佐河氏・度賀野氏らと行動をともにしている(蠧簡集拾遺)


谷地村
やちむら

[現在地名]会津坂下町三谷みたに

阿賀川と旧みや(鶴沼川)に三方を囲まれた水田地帯にあり、南西は佐藤さとう分、北は青木あおき村。村名は羽黒神社(現広瀬神社)境内に四八の沼があったほどの湿地であったことによる。文禄三年(一五九四)の蒲生領高目録では高四三一石余。青津組に属し、文化一五年(一八一八)の村日記では高四一七石余。化政期の家数二三(新編会津風土記)


谷地村
やちむら

[現在地名]猪苗代町磐里いわさと

猪苗代城下もと町の南に位置し、東側を小黒おぐろ川が南流する。同川を挟んで東は北高野きたこうや村、南西は百目貫どうめき村。川西組に属した。地名はかつて当地が葦谷地であったためと伝える。文禄三年(一五九四)の蒲生領高目録では猪苗代郡のうちに屋地とあり、高二五〇石余。享保三年(一七一八)には高二三九石余、家数一〇、男二四・女二四、馬六(「留帳」小林家文書)


谷地村
やじむら

[現在地名]八王子市滝山町たきやままち

谷地川北岸から加住北かすみきた丘陵にかけて立地。東は左入さにゆう村。中世には船木田ふなきた庄に含まれ、谷慈やじ郷とよばれた。田園簿に谷地村とみえ、田七〇石余・畑二五九石余で幕府領、日損場と記す。元禄郷帳では横山よこやま村共谷地村と記され、高三二六石余。また谷地村枝郷として永宿えいしゆく村が記され、高一七石余。谷地村は上下二村に分れ、上谷地かみやじ村を八日市ようかいち村、下谷地村を横山村と称したという。


谷地村
やちむら

[現在地名]三条市下谷地しもやち

敦田つるだ村の北、鶴田つるだ村・鶴田新田の東に接する。中世後期から近世初期にかけて、五十嵐いからし川旧河道の微高地上に成立した村で、開発年代は不明。近世ははじめ三条藩領で、元和六年(一六二〇)三条御引渡郷村帳(幸田重寛氏文書)に村名がみえ、高一四二石八斗余。


谷地村
やちむら

[現在地名]下田村上谷地かみやち

落合おちあい村の東にあり、正保国絵図では高八五石余。正保(一六四四―四八)初年の物成高を記した「初免石」(「村松小史」渡辺芳江氏蔵)では四四石二斗余・家一〇戸。寛文(一六六一―七三)以後鹿峠組に属し、同年間の検地帳(滝沢喜一郎氏蔵)によれば田方五町三反余・畑方五町四反余、名請人一三人、うち屋敷持六人である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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