日本大百科全書(ニッポニカ) 「豊郷」の意味・わかりやすい解説
豊郷(町)
とよさと
滋賀県中東部、犬上郡(いぬかみぐん)にある町。1971年(昭和46)町制施行。面積は県下最小。地名は農作物の豊穣(ほうじょう)を祈るもの。近江鉄道(おうみてつどう)、国道8号が通じる。犬上川の扇状地にあり、水不足に悩まされることが多かった。そのため集落の多くは扇端部の湧水(ゆうすい)地に立地している。米作、園芸、畜産を中心とする農牧業が主産業であるが、1970年代以降、工場誘致も盛ん。阿自岐(あじき)神社は式内社で、歴史が古く、その庭園は県の名勝となっている。近江商人発祥の地の一つで、伊藤忠(ちゅう)、丸紅(まるべに)を築き上げた伊藤忠兵衛もその1人で、その旧邸が保存されて記念館になっている。面積7.80平方キロメートル、人口7132(2020)。
[高橋誠一]
『『滋賀県豊郷村史』(1963・豊郷村)』