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貨幣同盟 かへいどうめいmonetary union

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

貨幣同盟
かへいどうめい
monetary union

統一的な貨幣政策,貨幣制度の採用などのために結ばれた国際的同盟。通常は加盟国間で共通の貨幣単位,通貨,通貨制度,および政策を採用する。古来,貨幣同盟の事例は数多くみられるが,歴史上特に有名なものは,南ドイツ貨幣同盟 (1837) ,ラテン貨幣同盟 (65) ,スカンジナビア貨幣同盟 (73) ,北ヨーロッパ貨幣同盟 (75) などで,また 1930年代にみられたマルクポンド,円などの通貨ブロックも一種の貨幣同盟といえよう。

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デジタル大辞泉の解説

かへい‐どうめい〔クワヘイ‐〕【貨幣同盟】

国際貿易などを行うのに便利なように、二つ以上の国家が共通の貨幣単位や貨幣制度をもつことを定めた同盟。

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大辞林 第三版の解説

かへいどうめい【貨幣同盟】

国際貿易の不便を除くため、条約・協定によって国家間の貨幣の対外価値を相互に一定の比率に確保する同盟。通貨同盟。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

貨幣同盟
かへいどうめい
monetary union英語
Mnzvereinドイツ語
union montaireフランス語

貨幣および貨幣制度は、原則として各国固有の形態をもち、その国内を流通圏とするものであるが、商取引などに便利なように、関係諸国が協定条約を通じて貨幣についての共通の形態を採用するものを貨幣同盟という。その内容は、単に相互に貨幣の流通を認めるものから、共通の貨幣単位を採用するもの、貨幣制度の相違点をしだいに撤廃してゆき、究極には共通の貨幣および貨幣制度を目ざすものまである。
 貨幣同盟の歴史は古く、その先駆けは、紀元前2世紀から前1世紀ごろにかけて小アジアの諸都市でシストフォリcistophoriと称する協約銀貨を流通させたことにみられる。ヨーロッパの中世にも1225年のリューベックとハンブルク両都市間の貨幣同盟、1240年のドイツとスイスの国境のボーデン湖沿岸諸都市間の貨幣同盟などがある。近代になると、1837年に南ドイツ諸国間でプロイセン・マルクを共通貨幣とした南ドイツ貨幣同盟、57年にドイツとオーストリア両国間で独墺(どくおう)貨幣同盟(ウィーン貨幣同盟)が誕生した。さらに、有名なラテン貨幣同盟が1865年に、スカンジナビア貨幣同盟(北欧貨幣同盟)が73年に成立した。前者は金銀複本位制の維持を目的としてフランス、ベルギー、イタリア、スイスによって結成され、1869年にギリシアが加わり、1925年まで存続し、後者はスウェーデンの金本位制採用を機にデンマークとの間でまず結成され、1875年にノルウェーが加わり、1924年まで存続した。第二次世界大戦後、1958年にヨーロッパ経済共同体(EEC)が発足、67年にはヨーロッパ共同体(EC)が発足するなど、ヨーロッパは共通通貨制度の樹立を目ざして経済統合を進めていく。79年にヨーロッパ通貨制度(EMS)が設立され、共通の計算単位ECU(エキュ)を用いた措置で、通貨統合に向けた第一歩を踏み出す。93年のマーストリヒト条約の発効に伴い、ECはヨーロッパ連合(EU)となり、通貨統合への具体的スケジュールが明示される。99年経済通貨同盟(EMU(エミュー))が発足、EUの単一通貨となるユーロEuroが導入され、2002年には通貨統合参加国でのユーロへの切り替えが終了した。[土屋六郎]
『山下英次著『ヨーロッパ通貨統合』(2002・勁草書房) ▽朝倉弘教・内田日出海著『ヨーロッパ経済――過去からの照射』(2003・勁草書房) ▽岩田健治編著、H・E・シャーラー他著『ユーロとEUの金融システム』(2003・日本経済評論社) ▽田中友義・久保広正編著『ヨーロッパ経済論』(2004・ミネルヴァ書房)』

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世界大百科事典内の貨幣同盟の言及

【通貨同盟】より

…貨幣同盟とも呼ばれる。複数の主権国家が経済発展を促進する目的のため,同盟内部の国際通貨取引の障害を取り除く国際協定を結んで成立する経済同盟を指す。…

※「貨幣同盟」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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