デジタル大辞泉 「貸」の意味・読み・例文・類語 たい【貸】[漢字項目] [音]タイ(呉)(漢) [訓]かす[学習漢字]5年かす。「貸借・貸与/賃貸・転貸」 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「貸」の意味・読み・例文・類語 かし【貸】 〘 名詞 〙 ( 動詞「かす(貸)」の連用形の名詞化 )① あとで返してもらう約束で、一時的に他に金品を与えること。あるいは、そのようにしてあること。また、その金品。⇔借り。〔名語記(1275)〕[初出の実例]「一銭五厘返して仕舞へば借も貸もない」(出典:坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉六)② 江戸時代、上方(かみがた)の遊里で、先客に揚げられている遊女が、一時、他の客のもとへ行くことを、先客や遊女側からいう。[初出の実例]「此里の習ひにて、たびたびかしに立つ事を」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)五)③ 人から受けた損害や負担を許して、相手に恩をきせること。[初出の実例]「俊介には、みちよを自分の家においておきたい、と思う気持があった。貸しがあるような気持かもしれなかった」(出典:抱擁家族(1965)〈小島信夫〉四)④ =かしかた(貸方)③〔英和記簿法字類(1878)〕⑤ =かしもと(貸元)②[初出の実例]「ばくちの事、〈略〉やどならびにかしいたし候ともがら」(出典:塵芥集(1536)一五五条) いらし【貸】 〘 名詞 〙 ( 動詞「いらす(貸)」の連用形の名詞化 ) 貸すこと。貸し付けること。租税として納めた官有の稲を、春季、農民に貸し付け、秋の収穫時に利息をつけて返納させること。〔伊呂波字類抄(鎌倉)〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
普及版 字通 「貸」の読み・字形・画数・意味 貸常用漢字 12画 [字音] タイ・トク[字訓] かす・ゆるやか[説文解字] [字形] 形声声符は代(たい)。〔説文〕六下に「施すなり」、〔広雅、釈詁三〕に「予(あた)ふるなり」とあって、施与の意とする。〔子、儒効〕に「行貸してす」というのは、乞食行の意である。貸とは、代わってそのことを行うことをいう。[訓義]1. かす、かしてあたえる。2. ゆるやかにする、ゆるやか。3. と通じ、かりる。4. と通じ、たがう。[古辞書の訓]〔新字鏡〕貸 伊良須(いらす)〔名義抄〕貸 カス・カル・ヲギノル・クル・イタス 〔字鏡集〕貸 カス・イタス・カル・カヘテ・イル・ヲギノル・ホドコス[語系]貸・・thkは同声。(とく)は〔説文〕六下に「人に從つて物を求むるなり」とあり、施貸と対待の義。は「(たが)ふ」、貸をその意に用いるときは、トクの音でよむ。[熟語]貸仮▶・貸▶・貸救▶・貸減▶・貸施▶・貸子▶・貸▶・貸借▶・貸帖▶・貸贍▶・貸賦▶・貸与▶[下接語]恩貸・仮貸・寛貸・乞貸・給貸・原貸・質貸・赦貸・借貸・賑貸・請貸・転貸・賦貸・優貸・容貸・廩貸 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報