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辻占 つじうら

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

辻占
つじうら

四つに立ち,道を通る人の言葉を聞いて,物事の吉凶うこと。行路の神である塞 (さえ) が,道を通る人にかかり,神託を下すと考えたもの。ツゲを持ち,歌を誦し,初めに通った人の言葉で占うなど,方法は数種あった。近世には辻占売り花柳界などで吉凶を表わす短い文句を記したものを売り歩くようになり,のちには,干菓子に入れた占い文などの小紙片を辻占というようになった。

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デジタル大辞泉の解説

つじ‐うら【×占】

黄楊(つげ)の櫛(くし)を持ち、道の辻に立って、最初に通る人の言葉を聞き吉凶を判断する占い。道占。道行き占。
偶然出あった物事を手がかりとして吉凶を判断すること。「辻占がよい」
吉凶を占う短い文句を記した紙。また、それを巻き煎餅(せんべい)などに挟み、取った時の吉凶の判断とすること。

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百科事典マイペディアの解説

辻占【つじうら】

日暮れどき,辻に立って,行きずりの人の言葉を聞き,それによって吉凶を判断する占い。中世には複雑化し,呪文(じゅもん)に似た歌を唱えて辻に出るようになったが,江戸時代には占いの言葉を書いた紙片を売る辻占売りが生じた。
→関連項目占い

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世界大百科事典 第2版の解説

つじうら【辻占】

道の辻に立って,通りがかりの人の言葉を聞いて吉凶を判断する占い。別称に,朝占夕占(あさけゆうけ)という名があるように,朝方や夕方の人の姿がはっきりしない時刻に行われ,道行く人の無意識に発する言葉の中に神慮を感じとり,それを神の啓示とした。《万葉集》巻十一に〈玉桙(たまぼこ)のみちゆき占にうらなへば〉とあり,起源は古代にさかのぼる。辻占は,後に道祖神塞の神託宣とされるようになり,江戸時代の《嬉遊笑覧》には,衢(ちまた)に出て黄楊(つげ)の櫛を持って,道祖神を念じつつ,見えて来た人の言葉で吉凶を占うとあり,黄楊と〈告げ〉が結び付き,櫛という呪物も加えられた。

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大辞林 第三版の解説

つじうら【辻占】

そのときの吉凶を占う材料となる短い文句をしるした紙片。巻き煎餅せんべいなどにはさんで売られた。
櫛占くしうら」に同じ。
偶然に出会った事物によって将来の吉凶を判断すること。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

辻占
つじうら

夕占(ゆうけ)、道占(みちうら)ともいう。夕方、道辻に出てそこを通る人のことばを小耳に挟み、占いをすること。『万葉集』巻四に「月夜(つくよ)には門(かど)に出(い)で立ち夕占問ひ足卜(あしうら)をぞせし行かまくを欲(ほ)り」とあり、古くから行われていた。黄楊(つげ)の小櫛(おぐし)を持ち神を念じながら道行く人の声を聞いたといわれる。伴信友(ばんのぶとも)は『正卜考(せいぼくこう)』のなかで、場所はかならずしも四つ辻とは限らず、また占いは女がするものとは決まっていないと述べている。江戸時代以来、辻占売りというものが現れて、吉凶の文句などを書いた紙片を道行く人に呼び売りするようになった。また辻占のみでなく巻き煎餅(せんべい)やかりんとうに占いの結果を記した紙を挟んで売るものもあった。若月紫蘭(しらん)の『東京年中行事』によると、明治の末ごろ東京市の辻々に赤塗りの自動辻占箱が現れた。箱の穴に一銭銅貨を入れると占い札が出るようになっていた。これがよく売れて日本全国から朝鮮や中国にまでこの箱が設けられたと記されている。[大藤時彦]

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