尺八の流派名。初世中尾都山(1876―1956)が1896年(明治29)2月に大阪で創始した。当時の関西は、宗悦流の支流分派が外曲(がいきょく)(三曲合奏)尺八の中心勢力であったが、組織力に弱く、統一した流としてのまとまりを欠いていた。我流から出発した都山流は、独自の外曲と、普化(ふけ)宗から離れた音楽本位の自流本曲(ほんきょく)を打ち出す一方、近代的な流組織を整えて西日本を制し、やがて全国的な大流派に成長。記譜法、作曲法、演奏法、教授法に洋楽のアイデアを巧みに取り入れ、邦楽界に新風を巻き起こした。レパートリーは、初世都山編曲の外曲、流祖および門人作曲の本曲と新曲の3種があり、とくに近代的な大合奏曲に特色をもつ。現在、組織としては財団法人都山流尺八楽会、新都山流宗家、社団法人日本尺八連盟の3派に分裂するが、芸系としては同じ流れにある。さらに小さな独立会派をあわせて推定1万7000人を超える、尺八界最大の流派である。
[月溪恒子]
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…普化宗は1871年(明治4)に維新政府の命令で廃止され,尺八も存亡の危機に面したが,荒木古童など当時の琴古流の指導者の尽力により普化宗を離れた楽器としての存続が認められ,以来,琴古流では本曲よりも外曲に力を注ぐようになり,東京を中心としつつ全国的に普及していく。一方,関西では宗悦流の影響が強く,早くから外曲が盛んだったが,その中から初世中尾都山(とざん)が大阪で1896年に都山流を創始する。都山流は創始者自身の活発な活動とさまざまな新工夫によって短年月のうちに広まり,大正年間以後は琴古流と並んで尺八楽の二大流派となっている。…
…尺八家。都山流宗家の芸名。現在は3世。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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