都筑道夫(読み)ツヅキミチオ

デジタル大辞泉 「都筑道夫」の意味・読み・例文・類語

つづき‐みちお〔‐みちを〕【都筑道夫】

[1929~2003]推理作家。東京の生まれ。本名、松岡いわお本格推理ハードボイルドショートショートなどに幅広く活躍時代物の「なめくじ長屋」シリーズもある。「推理作家の出来るまで」で日本推理作家協会賞受賞。平成15年(2003)功績により日本ミステリー文学大賞受賞。

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20世紀日本人名事典 「都筑道夫」の解説

都筑 道夫
ツヅキ ミチオ

昭和・平成期の推理作家



生年
昭和4(1929)年7月6日

没年
平成15(2003)年11月27日

出生地
東京市小石川区(現・東京都文京区)

本名
松岡 巌(マツオカ イワオ)

別名
筆名=淡路 龍太郎

学歴〔年〕
早稲田実業〔昭和20年〕中退

主な受賞名〔年〕
日本推理作家協会賞(第54回)〔平成13年〕「推理作家が出来るまで」,日本ミステリー文学大賞(第6回)〔平成14年〕

経歴
早逝した落語家の兄の影響により少年時代から寄席や映画、演劇に親しむ。作家を志して正岡容大坪砂男に師事し、雑誌「スバル」編集の傍ら、10代後半から淡路龍太郎などの筆名で伝奇小説や時代小説を執筆。その後翻訳を手がけ、昭和31年早川書房に入社して、「エラリイ・クイーンズ・ミステリー・マガジン」日本語版編集長を務めた。34年退社して本格的に作家生活に入り、36年第一長編やぶにらみ時計」で推理作家として注目された。代表作に「猫の舌に釘を打て」「なめくじに聞いてみろ」「三重露出」「七十五羽の烏」「退職刑事」、〈雪崩連太郎〉シリーズ、〈なめくじ長屋〉シリーズなどがあり、個性的な探偵が登場する凝りに凝った趣向作品を数多く発表した。また評論「黄色い部屋はいかに改装されたか?」などでも知られ、様々な分野で日本の推理小説界を支えた。平成13年自伝エッセイ「推理作家が出来るまで」で日本推理作家協会賞を受賞した。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「都筑道夫」の意味・わかりやすい解説

都筑道夫
つづきみちお
(1929―2003)

推理作家。本名松岡厳(いわお)。東京生まれ。早稲田(わせだ)実業学校中退。早川書房編集部勤務を経て、1961年(昭和36)長編『やぶにらみの時計』を発表。以後、『誘拐(ゆうかい)作戦』『三重露出』『キリオン・スレイの生活と推理』など、いずれも軽妙洒脱(しゃだつ)でユーモラスな味があり、しかも読者の意表をつく凝った構成に特色がある。また、ショート・ショートも得意とし、時代小説の推理短編シリーズには『なめくじ長屋捕物(とりもの)さわぎ』、評論集には『死体を無事に消すまで』がある。

[厚木 淳]

『『死体を無事に消すまで』(1973・晶文社)』『『キリオン・スレイの生活と推理』(角川文庫)』『『三重露出』『なめくじ長屋捕物さわぎ』シリーズ(光文社文庫)』『『誘拐作戦』(創元推理文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「都筑道夫」の解説

都筑道夫 つづき-みちお

1929-2003 昭和後期-平成時代の小説家。
昭和4年7月6日生まれ。早川書房にはいり,日本語版「エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン」の編集長をつとめる。昭和34年作家生活にはいり,技巧的な本格推理,ハードボイルド,ショート-ショートと幅ひろく活躍。平成13年「推理作家の出来るまで」で日本推理作家協会賞。15年日本ミステリー文学大賞。平成15年11月27日死去。74歳。東京出身。早稲田実業中退。本名は松岡巌。作品に「やぶにらみの時計」「七十五羽の烏」など。

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