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金平節 きんぴらぶし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

金平節
きんぴらぶし

古浄瑠璃の一流派名。江戸和泉太夫,受領号丹波少掾平正信の曲風で,武勇の表現が特色。承応~宝永年間 (1652~1711) 頃まで行われ,明暦万治,寛文年間 (1655~73) が盛期。和泉太夫が主として語った岡清兵衛の作品に,坂田の金平 (公平とも書く) という仮構の豪傑を主人公としたものが多くあったので,金平節と呼ばれた。これが全国的に流行し,他の古浄瑠璃諸派でも類似の作品を多く上演した。それらの作品も合せて金平浄瑠璃という。和泉太夫の正本に『宇治の姫切』『公平 (きんぴら) 北国責』『頼光 (らいこう) 跡目論』などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

金平節
きんぴらぶし

公平節とも書く。江戸古浄瑠璃(こじょうるり)の一派。薩摩浄雲(さつまじょううん)の門流である江戸和泉(いずみ)太夫(後の桜井丹波少掾(たんばのしょうじょう))によって語り始められた豪快な浄瑠璃で、万治(まんじ)・寛文(かんぶん)年間(1658~73)に発生、隆盛を極めた。岡清兵衛(おかせいべえ)が創作した架空の人物、坂田金平を主人公とするため、この名でよばれている。坂田金平は源頼光(よりみつ)の四天王の一人、坂田公時(きんとき)の一子と設定されており、超人的な力をもって暴れ回り、邪悪を懲らしめる。この勇壮な物語を、和泉太夫は長い鉄の棒で人形の首をたたき壊しながら語ったといわれるが、この荒唐無稽(こうとうむけい)で野性的な語りは当時の江戸の庶民に広く愛され、歌舞伎(かぶき)役者の初世市川団十郎はこの金平節と結び付けて荒事(あらごと)を創作したという。金平節を伴奏とする人形劇や芝居は今日ではほとんど上演されないが、その性格は歌舞伎の荒事に受け継がれている。歌舞伎狂言『極付幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)』序幕山村座の場の劇中劇「金平法問諍(ほうもんあらそい)」に、金平浄瑠璃の名残(なごり)がみられる。[渡辺尚子]

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