金融再生法(読み)きんゆうさいせいほう

日本大百科全書(ニッポニカ)「金融再生法」の解説

金融再生法
きんゆうさいせいほう

経営が破綻(はたん)した金融機関の処理方法などを定めた法律。正式名称は「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」で、金融システム不安が広がった1998年(平成10)10月に施行された。公的資金で一時国有化する特別公的管理や、政府が管財人を派遣して管理下に置くブリッジバンクなどの処理方法をうたっており、経営が行き詰まった日本長期信用銀行日本債券信用銀行の一時国有化は同法に基づいて実施された。

 その後、1999年9月には日本長期信用銀行をアメリカのリップルウッド・ホールディングスを中心とした投資組合へ営業譲渡し、2000年2月には日本債券信用銀行をソフトバンクを中心としたグループに譲渡。2000年3月に日本長期信用銀行(2000年6月より新生銀行)が、また同年9月に日本債券信用銀行(2001年1月よりあおぞら銀行)が、それぞれ特別公的管理を終了し、新体制で営業を始めた。2001年には、一時国有化やブリッジバンクなどの破綻処理策は預金保険法に引き継がれた。また整理回収機構による健全銀行からの不良債権の買取りに関する規定も同法を根拠法としていたが、同業務も2005年6月末に終了した。

 ただ、現在も、銀行など金融機関の不良債権は、同法に基づいた分類で開示されている。破綻先などの「破産更生債権」、破綻懸念がある「危険債権」、財務内容に問題があり返済が3か月以上滞っている「要管理債権」、「正常債権」の4分類があり、広く銀行などの決算発表などに使用されている。

[矢野 武]

『久門文世著『金融再生法36条――「長銀落城」現場からの証言』(小学館文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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