日本債券信用銀行(読み)ニッポンサイケンシンヨウギンコウ

デジタル大辞泉 「日本債券信用銀行」の意味・読み・例文・類語

にっぽん‐さいけんしんようぎんこう〔‐サイケンシンヨウギンカウ〕【日本債券信用銀行】

長期信用銀行の一。金融債を発行して資金を調達し、企業に設備資金・長期運転資金などの長期資金を貸し付けることを主な業務とした。昭和32年(1957)旧朝鮮銀行残余財産をもとに日本不動産銀行として設立。同52年日本債券信用銀行に変更。一時国有化を経て現在はあおぞら銀行日債銀

にほん‐さいけんしんようぎんこう〔‐サイケンシンヨウギンカウ〕【日本債券信用銀行】

にっぽんさいけんしんようぎんこう

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「日本債券信用銀行」の意味・読み・例文・類語

にっぽん‐さいけんしんようぎんこう‥サイケンシンヨウギンカウ【日本債券信用銀行】

  1. 長期信用銀行の一つ。昭和三二年(一九五七)旧朝鮮銀行の残余財産をもとに日本不動産銀行として設立。同五二年一〇月、現行名に変更。一時国有化を経て、あおぞら銀行となる。日債銀。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本債券信用銀行」の意味・わかりやすい解説

日本債券信用銀行
にっぽんさいけんしんようぎんこう

長期信用銀行法に基づいて認可、運営された銀行。現、あおぞら銀行。日債銀と略称していた。初め日本不動産銀行として設立されたが、1977年(昭和52)行名を日本債券信用銀行に変更した。日本不動産銀行は、1957年、旧朝鮮銀行の残余財産をもとに長期信用銀行法に基づいて設立された。他の長期信用銀行に比較して、不動産金融、中小企業金融の比率が高いところから、この銀行名となった。事実、設立当初は不動産金融に力を入れ、不動産担保の評価や住宅金融を積極的に推進していたが、その後は設備投資金融や海外投資金融などの面で、他の長期信用銀行との間にあまり相違がなくなってきた。そこで行名も変更されることとなった。1990年代に入り、バブル経済が崩壊すると、大量の不良債権が発生し、経営基盤が弱体化し債務超過に陥った。1998年(平成10)12月13日、日本長期信用銀行(現、SBI新生銀行)に続いて国の2番目の特別公的管理銀行となり、一時的に国有化された。2000年(平成12)9月4日、ソフトバンク(現、ソフトバンクグループ)を中核とするコンソーシアム企業連合)に譲渡され、民間銀行復帰、2001年1月4日「あおぞら銀行」と行名を変更した。

[原 司郎]

『日本債券信用銀行史編纂室編『日本債券信用銀行三十年史』(1993・日本債券信用銀行)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「日本債券信用銀行」の意味・わかりやすい解説

日本債券信用銀行[株]【にほんさいけんしんようぎんこう】

長期信用銀行の一つ。1911年に朝鮮経営を目的として設立された朝鮮銀行前身。終戦後GHQの指示により同行が閉鎖し,1957年その残余資産を活用して,〈長期信用銀行法〉に基づき日本不動産銀行として設立。1977年日本債券信用銀行に改称。不動産を抵当とする貸付重点置き,債券発行を主な資金源として長期金融を行う。1992年バブル経済崩壊で地価が大幅に下落し,経営悪化が進行した。1997年,経営再建のため海外事業から全面撤退し,国内専業銀行へ移行したが,1998年12月金融監督庁により〈破綻認定〉され,特別公的管理(一時国有化)下に置かれたが,ソフトバンクオリックス東京海上火災保険を中心とする企業連合が買収し,2000年9月,民間銀行として再出発した。2001年1月行名をあおぞら銀行に変更。
→関連項目破綻金融機関不良債権処理問題

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日本債券信用銀行」の意味・わかりやすい解説

日本債券信用銀行
にっぽんさいけんしんようぎんこう

あおぞら銀行の前身の長期信用銀行。1957年,旧朝鮮銀行の残余財産 18億円を資本金および資本準備金として長期信用銀行法に基づいて日本不動産銀行として設立,1977年日本債券信用銀行に行名変更。金融債の発行によって資金を調達し,不動産担保金融,設備投資資金,近代化資金など長期資金の融資を業務目的としていた。特に中小企業向けの融資に重点を置き,中小企業の体質改善,近代化に貢献した。ほかに担保付社債に関する信託業務などの証券業務,外資導入・海外投融資などの業務を行なったが,預金の受け入れは国,地方公共団体,取引先などに限定されていた。バブル期の不良債権の累積により経営が悪化,1997年4月海外拠点からの撤退,全営業店舗の売却,人員削減,役員報酬と従業員給与の削減などを骨子とする再建策を発表。同時にバンカース・トラスト・カンパニーと業務提携を結び,さらに 1998年3月には公的資金の注入が行なわれたが,同 1998年12月破綻と認定され,金融機能の再生のための緊急措置に関する法律(金融再生法)に基づき,特別公的管理の開始が決定,国有化された。2000年ソフトバンク(→ソフトバンクグループ),オリックス東京海上火災保険を中心とする企業連合への譲渡が決まり,営業を開始,2001年に行名をあおぞら銀行とした。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の日本債券信用銀行の言及

【長期信用銀行】より

…〈長期信用銀行法〉(1952公布)に基づく長期金融機関。日本興業銀行日本長期信用銀行,日本債券信用銀行の3行があるが,それぞれ異なった沿革をもっている。同法により新設された日本長期信用銀行と,1902年設立の特殊銀行から移行した日本興業銀行の2行が52年当初から存在し,その後57年に,旧朝鮮銀行の残余財産を継承した日本不動産銀行(1977年10月に日本債券信用銀行と改称)が新設された。…

※「日本債券信用銀行」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

スキマバイト

働き手が自分の働きたい時間に合わせて短時間・単発の仕事に就くこと。「スポットワーク」とも呼ばれる。単発の仕事を請け負う働き方「ギグワーク」のうち、雇用契約を結んで働く形態を指す場合が多い。働き手と企...

スキマバイトの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android