家庭医学館 「鉤虫症(十二指腸虫症)」の解説
こうちゅうしょうじゅうにしちょうちゅうしょう【鉤虫症(十二指腸虫症) Hookworm Disease (Ancylostomiasis)】
1cmぐらいの各種の鉤虫が寄生しておこる病気です。日本ではズビニ鉤虫とアメリカ鉤虫によるものが大部分を占めています。幼虫が付着している野菜を食べたり、皮膚から幼虫が侵入することで感染します。
[症状]
鉤虫は、体内で血液や体液を養分として発育します。そのため、感染すると貧血(ひんけつ)がおこり、ひどくなると激しい動悸(どうき)、手足のむくみや爪(つめ)の変形がみられることもあります。
腹痛や下痢(げり)などもおこります。
幼虫が皮膚から侵入したときには皮膚炎がおこり、かゆみを感じます。
[検査と診断]
浮遊法(ふゆうほう)という方法で糞便(ふんべん)を調べて、虫卵(ちゅうらん)が見つかれば診断がつきます。
また、発病初期に血液を調べると、好酸球(こうさんきゅう)(白血球(はっけっきゅう)の一種)の増加がみられます。
[治療]
パモ酸ピランテルを1回内服すれば治ります。貧血に対しては鉄剤が使われます。
[予防]
生野菜は、よく水洗いをしてから食べましょう。流行地では、田畑に素足で入らないように心がけましょう。