銀行取引(読み)ぎんこうとりひき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

銀行取引
ぎんこうとりひき

商法における営業的商行為の一種であるが,その概念については明確でない。商法は「両替その他の銀行取引」としている(502条8号)。行政的監督,取り締まりを目的とする銀行法は,銀行の「業務」を預金または定期積金の受け入れと資金の貸し付けまたは手形割引とをあわせ行なうことおよび為替取引を行なうこととしている(2条2項1,2号)。裁判上ないしは一般には,金銭または有価証券の転換を媒介する行為と解釈している。これによれば,資金の需要者と供給者との間に介在し,一方において金銭または有価証券を受け入れ,他方においてこれを必要とする者に融通する,受信行為と与信行為とをあわせ行なうことがその本質となる。
銀行取引の内容の分類はさまざまで,従来は受信業務,与信業務,中性業務の 3種に分類するのが一般的であったが,当座貸越契約のように受信・与信とに分離してとらえることができない業務が増大してきた実態にあわせて,近年では基本取引(固有業務)と付随取引(付随業務)とに分類するのが一般的である。基本取引とは,銀行法などに定められた預金,貸付,手形割引,為替取引であり,付随取引とは,固有業務に付随して行なう保護預り,振替,手形交換,債権の取り立て,債権の保証,金銭の出納,両替,有価証券の売買,他銀行の業務代理,担保付社債に関する信託業務などの取り引きである。銀行取引についての商法の規定はきわめて不十分で,商慣習法・商慣習が発達している。また銀行取引は広域性を有し,定型的かつ継続的取引が多く,したがってその安全性と迅速性が強く要請されるので,普通取引約款(→普通契約条款)が重大な機能を果たしている。

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